Treasure Data CDPとは?特徴、活用方法、機能の本質を徹底解説

データソリューション

Treasure Data CDPとは?

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Treasure Data CDPとは、トレジャーデータ社が提供するCDP(カスタマーデータプラットフォーム)です。業務改善のためのデータの統合や可視化、データの自動連携による業務効率化、顧客との最適なコミュニケーションを図るためのデータ分析、広告・メール・SNSへの連携など企業のDX(デジタルトランスフォーメーション)を強力に支援するプラットフォームで、CDPの分野で国内で高いシェアを占めています。

※CDPに関しては、以下の記事にまとめていますので、是非お時間のある時にお読みいただけると幸いです。  

Treasure Data CDPのデータ活用プロセス

CDPにおけるデータ活用においては、1. 各種データの統合、2. 分析・可視化、3. 施策展開というステップで進める事が一般的なので、各ステップにおけるTreasure Data CDPの役割について説明していきます。

1.各種データの統合

企業が保有する顧客情報(氏名、年齢、性別、郵便場号、住所、メールアドレス、購買情報等)やGoogle AnalyticsなどのWeb行動ログデータや実店舗で取得できる情報など様々な情報を集約し、それらの情報を結合するキーを選定することでTreasure Data CDP上で各データが自動的につながる仕組みを構築する事が可能となります。

また自社保有のデータだけでなく、例えば居住エリア毎に年収を推定するデータを提供するプロダクトもあるので、郵便番号や都道府県、市区町村等を結合するキーとすることで自社以外のデータも活用する事も可能です。このように自社及び自社以外のデータを組み合わせて自動化し「2. 分析・可視化」ステップにつなげる事が重要と考えています。

2.分析・可視化

統合されたデータについてTreasure Data CDPの管理画面上でSQLを利用する事ができるので、大容量のデータについても集計関数などを用いたクイックな基礎集計が可能となっています。また機械学習(AI)機能を用いれば、購入の可能性が高いユーザーを予測して施策に連携する事なども可能となります。

可視化においてはTableau、Microsoft PowerBI、DOMO、Google Sheets(Looker Studio)等の主要なBI(ビジネスインテリジェンス)ツールと連携する事ができますので、BIの連携を日時処理などで自動化することで、企業のPDCAサイクルの高速化を支援できます。

3.施策展開

Treasure Data CDPは170を超えるデータ収集先・活用先のコネクターを保有してます。コネクターは管理画面上で連携先から払い出される認証情報等を入力する事で、大きな開発がなく、クイックにデータ連携を始めるための仕組みになります。

施策面においても広告(DSP・アドネットワーク)、SNS、レコメンド/Web接客ツール、MA・メール配信プラットフォーム等多岐にわたるプロダクトとのコネクターを有しているので、潜在顧客・見込顧客・既存顧客など顧客ステージに即した施策展開を早期に実現することができるCDPとなります。

Treasure Data CDPの機能と特徴

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Treasure Data CDPは他のCDPと同様に集約したデータに対して集計処理を施した上で、施策活用やダッシュボードにデータ連携するプロダクトにはなりますが、3点大きな特徴がございます。

コネクター、ノーコード

Treasure Data CDPは以下の分野で170を超えるコネクターを用意しています。コネクターが存在することで、エンジニアのプログラム実装が削減され(ノーコード)、結果としてエンジニア稼働の削減、不具合発生のポイントが減少、且つスピーディーなプロダクト間連携が実現できます。

  • Webアクセス解析
  • Webページ
  • 決済/ECデータ
  • CRM
  • カスタマーサポート
  • マーケティングオートメーション(MA)
  • 広告/マーケティング
  • データマネジメントプラットフォーム(DMP)
  • ソーシャルメディア
  • モバイル/デスクトップアプリケーション
  • モバイルアナリティクス
  • Webフック
  • データベース
  • オープンソースのデータ/サーバー
  • ローデータ
  • INFRASTRUCTURE AS A SERVICE (IAAS)
  • PLATFORM AS A SERVICE (PAAS)
  • SQLとデータサイエンス
  • 機械学習
  • ビジネスインテリジェンス(BI)
  • IOTデバイスとセンサー
  • エンタープライズリソースプランニング(ERP)

Treasure Workflow

Treasure Data CDPでは、Treasure Workflowという機能を使う事で、外部データの読み込み、複数のSQLを順番に実行、最終的な実行結果をコネクターを通じて外部プロダクトへ連携といった処理をすべて自動化する事が可能です。

またエラー実行時の処理やSQLだけでなく、プログラミング言語を使っての処理を含むことができるため、データパイプラインの構築に柔軟に対応することが可能となります。

Audience Studio

Audience StuidoはSQLを利用することなく、マーケティング担当者がGUIの操作で施策の対象となるセグメント(ユーザーリスト)を作成する事ができる機能です。特徴的な機能としては以下の機能がございます。

(1)セグメント作成、フォルダ管理

予め用意したマスターセグメントから、例えば性別や年代といった企業データやWebでの閲覧履歴等を利用して、マーケティング活動の条件を選択することで、施策に活用できるセグメント(ユーザーリスト)を作成することができます。

作成したセグメントはActivation(アクティベーション)の設定で、外部のMA(マーケティングオートメーション)のプロダクトや広告プラットフォームに連携する事が可能になります。

また作成したセグメントはフォルダの概念を適用することで、特定の関係者にのみ閲覧利用を制限することが可能となっており、MAや広告プラットフォームでは対応できないセキュリティ面の強化を図る事ができます。

(2)ファネル作成

顧客のロイヤルユーザー設計に応じて、例えば期間内の購入件数や購入金額などでユーザーステージを分ける事が可能です。作成したユーザーステージで構成されるファネルはステージ毎のユーザー数の把握を定点的に行う事ができ、優良顧客への移行の進捗を把握するための強力な機能となります。

(3)Predictive Scoring(予想モデル)

例えば実際に商品を購入した人のデータを元にAI(機械学習)が該当商品を購入しやすい人というモデルを作る事が実現可能です。そのモデルを利用し、まだ商品を購入していないユーザー毎にスコア(点数)を付与することができます。一定のスコア以上のユーザーというセグメントの作成ができるので、そのセグメントを利用し、MAや広告等を活用して購入を促す訴求が可能となります。

(4)Profile API Tokens

作成したセグメントデータをリアルタイムに呼び出す事ができるAPIを保有しております。Webサイトのレコメンド等に活用することが可能なので、例えば年齢性別に応じたコンテンツの出し分けなど、企業が保有するデータを活用することも可能ですし、ECサイトでカートに商品を格納したものの購入に至らなかったユーザーへ商品を再訴求するなども可能です。

まとめ

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Treasure Data CDPの活用方法や特徴的な機能について説明させて頂きましたが、いかがでしたでしょうか。企業のDX(デジタルトランスフォーメーション)を推進するに当たってはCDPにデータを集約し、且つデータの鮮度を保ちながら、施策活用までデータ流通を自動化することが重要です。

Treasure Data CDPは豊富なコネクタを持ち、ノーコードでの実装方法が豊富であることから、限られたエンジニア稼働を有効に使いたいお客様にはオススメのCDPとなります。

弊社でも導入・運用サポートやコンサルティングをしておりますので、まずはお気軽にお問い合わせいただけたらと思います。ご清覧ありがとうございました。

筆者紹介 ニッシーナ
Web制作プロダクションにてディレクター兼エンジニアとしてキャリアをスタート後、広告配信PF、データ分析基盤のエンジニアとして活動。最近はMA/CDP/BI等の導入支援を中心にマーケティング施策を支えるために日々奮闘中。

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