MA運用時の課題とは?運用を成功させるためのポイントを解説

データソリューション

MA(マーケティングオートメーション)の運用がうまくいかない、なかなか思ったような成果が出ないという場合、どのようなことが原因として考えられるのでしょうか。
現在、MAを運用している企業、あるいはこれから導入を考えている企業向けに、MA運用時にありがちな課題について取り上げ、解決のヒントとなるポイントを解説します。

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MAを運用するメリットとは?

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MA運用の課題について説明する前に、MAを運用する主なメリットについて確認しておきましょう。これらのメリットが得られていれば、MAは適切に運用されているといえます。MAを運用する主なメリットは、下記の4つです。

<MA運用のメリット>

  • 見込み顧客の獲得・育成・管理を、1つのツール内で一貫して行うことができる
  • 見込み顧客の行動を可視化することで、より効果の高いマーケティングに関するインサイトが得られ、質の高いリードの獲得につながる
  • セグメントした顧客に応じたシナリオの適用や顧客の育成などが自動化され、作業効率が向上する
  • 顧客のニーズに合った情報提供やマーケティング担当と営業担当の連携などにより、成約率が向上する

MAについては、以下の記事でもご紹介しているので、ぜひこちらも参考にしてみて下さい。

MA運用がうまくいかないときのよくある課題

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MA運用のメリットが得られていない場合は、MAをうまく運用できていない状態であるといえます。では、どのようなときにMA運用がうまくいかないのか、MA運用時に陥りがちな課題について見ていきましょう。

人的リソースが足りない

MAは、マーケティングに関わるいくつかの複雑な業務を自動化することができますが、あらゆる作業を自動で代行してくれるわけではありません。
適切なデータを用意し、機能ごとに設定をし、効果を測定しながら改善ポイントを見つけてフィードバックするといった作業が発生しますから、そのための人員を確保する必要があります。MAで何を実現したいのかにもよりますが、適正な人的リソースを投入しなければ目的を達成することはできません。

知識・スキルが追い付かない

MAの運用に携わる人材には、マーケティングに関する専門知識に加えて、ツールを使いこなすためのスキルも求められます。ツールの操作自体の難度は高くなくても、ツールが備えている機能を正しく活用するための理解が必要です。
MAによって得られるデータや分析結果に基づいて顧客の行動・ニーズ・課題を把握する能力、そして最適な施策を実行する能力を持つ人材を確保できているかどうかが、運用の成否に影響します。

コンテンツが足りていない

見込み顧客に対して、メールやオウンドメディア、SNSなどを使って配信・提供するコンテンツが不足していると、MAでアプローチする手段が限られるため、成果が得にくくなります。ダウンロードしてもらうためのホワイトペーパーや製品資料も同様です。
MAに限らず、現在のデジタルマーケティングにおいて、コンテンツは見込み顧客との主要なタッチポイントです。また、コンテンツに接することで、Webサイト訪問者は、有望な顧客であるホットリードへと育っていきます。そのため、コンテンツを安定して供給するための体制が必要なのです。

スコアリングやシナリオの設計が難しい

MAの各種設定の中でも、スコアリングとシナリオの設計はつまずきやすいポイントといえます。
スコアリングとは、見込み顧客の購買意欲、成約の可能性を可視化するために、点数による評価をすることです。顧客の属性や行動によってスコアを付けて優先順位を決め、アプローチのタイミングを図ります。
これに対し、シナリオとは見込み顧客が商品購入に至るまでの行動を想定し、商品購入に導くための筋書きのことです。

どちらも顧客の属性と行動に加えて、自社の商品の特性にマッチした設計をする必要があります。最初は試行錯誤しながらチューニング作業をしていくのが一般的ですが、そのチューニングが正しく行われないと、精度の低い設計のままでMAを使い続けることになりかねません。

効果・成果を実感できない

MAの運用を始めたものの、当初思い描いていたような効果や成果が得られていないというケースも見られます。
MAを正しく運用できていれば、自社商品に対して強い興味・関心を持つ購買意欲の高いホットリードを抽出し、営業に引き渡すことが可能です。しかし、その作業を行っているはずなのに成約率が上がらないという場合、先にご説明したいくつかの問題が重なって、機能不全を引き起こしている可能性があります。

MAの運用を成功させるためのポイント

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MAの運用を成功させるには、どのような点に注意すべきなのでしょうか。次に、MAの運用を成功させるためには何をすべきなのか、押さえておきたいポイントをご紹介します。

目的と必要な機能を再確認する

MAを導入した目的を、再度明確にしましょう。同時に、その目的を実現するための機能が、MAツールに過不足なくそろっているかどうかも確認します。機能が不足している場合はもちろん、目的に対してMAの機能が多すぎる、MAツールが高度すぎるというような場合も、MA運用がうまくいかない原因となりえます。

現在導入中のMAツールを活かすなら、あらためてMAで何を実現したいのかという目的と、そのMAツールで何ができるのかという機能のすり合わせが必要です。その上で、比較的短期間で結果が出るような「小さなゴール」を決めることから始めてください。「顧客ニーズに沿ったシナリオ配信を行い、コンバージョン率を上げる」といったわかりやすいゴールを設定し、それらをクリアしていくことで、その先のやるべきことも見えてきます。

カスタマージャーニーマップを作成する

カスタマージャーニーマップは、見込み顧客が自社商品を、どのようにして認知して関心を持ち、情報収集や比較・検討といったプロセスを経て購入、利用に至るのかを可視化したものです。MA運用のための叩き台として役立つことに加えて、MA運用時の課題の発見や、社内の共通認識の確認などに役立ちます。

現在、MAを使った施策が見込み顧客の行動や思考・感情に沿ったものになっているのかを確認すれば、改善ポイントが見えてくる可能性があります。すでにカスタマージャーニーマップを作成しているのであれば、現状を再分析して、カスタマージャーニーマップ自体を改定する必要があるかもしれません。

カスタマージャーニーマップの設計については、以下の記事でもご紹介しているので、ぜひこちらも参考にしてみて下さい。

コンテンツを充実させる

MAを効果的に活用するために、どのようなコンテンツが必要なのかを把握します。その分析結果を基に、今あるコンテンツの整理や新しいコンテンツの作成に取り組みましょう。
コンテンツの追加・蓄積を社内だけで完結させるのが難しければ、外部に発注することを検討する必要があります。その場合、投資対効果も考える必要がありますが、質の高いコンテンツがより多くの成果をもたらすことも事実です。また、コンテンツは広告と違い、蓄積するほど継続的に効果につながる可能性が高くなります。

スコアリングやシナリオの設定を見直す

スコアリングとシナリオについても、現状の問題点を分析して設定を見直す必要があります。重要なのは、効果測定を徹底して行うことです。マーケティング部門と営業部門で話し合いを重ねながらデータを蓄積し、最も効果的な設定を探る作業をしていきます。
また、MAに関する専門知識を持つ外部のコンサルティング会社などに、調整を依頼する方法もあります。スコアリングやシナリオ設計だけではなく、MA運用に関する全般的な課題についてもアドバイスを得られるでしょう。

MAの効果的なシナリオ設計ついては、以下の記事でもご紹介しているので、ぜひこちらも参考にしてみて下さい。

サポート体制が充実しているベンダーを選ぶ

MA運用時の課題の多くは、サポート体制が充実しているベンダーを選ぶことでも解決可能です。導入を検討する段階でヒアリングを受けて綿密な要求定義・要件定義を行えば、目的と機能のすり合わせも問題なく実現します。どのような運用組織体制や人員が必要かといったことについても細かく説明を受けられ、カスタマージャーニーマップ、スコアリング、シナリオなどの設計に関しても支援を得ることができるはずです。
現在、MAの導入を考えている段階にあるなら、導入時および運用時にどのようなサポートが受けられるのかも十分に比較検討してベンダーを選ぶことをおすすめします。

MAの運用にはMAツールやシステムに関する理解も必要

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MAの運用を成功させるには、デジタルマーケティングに関連した知識に加えて、MAというシステム自体に関する理解が不可欠です。MA導入前の準備段階から、MAを使って自社のマーケティングの課題をどんな形で解決できるのかを把握しておけば、MAについて理解が進み、より効果的にMAツールを使うことができます。また、外部リソースを含むアドバイザー的な人材を確保することができれば、よりスムーズな運用が可能になるでしょう。


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著者(writer)
marketingX by goo 編集部

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