マーケティングオートメーション(MA)ツールとは?MAツール比較9選、選び方を解説

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自社の商品やサービスの認知度を高め、届けるべき顧客にしっかりと届けるために欠かせないのがマーケティングです。このマーケティングの手法として、現在主流になりつつあるのが「マーケティングオートメーション(以下MA)」です。
ここでは、MAと従来のマーケティング手法の違いやMA導入で得られる効果、おすすめのMAツールについて解説します。

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マーケティングオートメーション(MA)ツールとは?従来のマーケティング手法との違い

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マーケティングとは、企業が自社の商品やサービスを顧客に届けるための一連の活動を指します。マーケティングを行うことによりリード、つまり商品やサービスを購入する見込みのある顧客(以下、見込み顧客)を獲得し、商品やサービスの販売につなげることが、マーケティングを行う目的です。

そして、MAとはマーケティング業務を自動化し、効率化するための手法のことをいいます。近年、MAを導入する企業が増えており、MAを行うためのツール(以下、MAツール)の市場規模も右肩上がりで拡大しているのです。

MAツールの需要が高まっている背景

MAツールの需要が高まっている背景には、インターネットの普及でユーザーの情報収集の手段が変化したことや、ビジネスのスピードが加速していることなどがあります。

BtoCの業態を例に挙げると、ユーザーが商品やサービスを購入する際、インターネットが普及する前は、直接、取扱店舗に行って購入することが一般的でした。しかし、現在ではユーザーはまずインターネットで商品やサービスについて検索し、情報を集めた上で店舗やインターネット通販などで購入する流れが一般的になっています。

となれば、現代のマーケティングの主戦場はインターネットだといえます。インターネット上でのマーケティングを制し、オフラインのマーケティング施策とうまく連動できるかどうかが、ビジネスの成否を分けるのです

MAツール導入で実現できること

インターネットでのマーケティング手法といえば、BtoCの企業ではWebサイトやSNSでの情報発信、メールマガジンの配信などが代表的です。BtoBの企業ではそれに加えて、最近ではオンラインセミナーを実施し、商品やサービスへの認知度を高めていく試みも見られるようになりました。

マーケティングの精度を上げるためには、見込み顧客に応じた最適なマーケティング施策を行う必要があります。しかし、数多くいる見込み顧客を一人ひとり手動で分析し、最適なマーケティング施策を行うのは困難でしょう。
また、現代はビジネスのスピード感も増しています。見込み顧客一人ひとりに最適化された施策をすばやく打てなければ、競合他社に奪われるリスクもあります。

そこで生まれたのが、マーケティングを自動化してくれるMAツールです。MAツールでは、見込み顧客の管理から育成・選別までを一貫して行うことができます。MAツールを活用すれば、見込み顧客一人ひとりに最適化されたマーケティングを実現し、ビジネスの成長につなげられるのです。

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マーケティングオートメーション(MA)ツールで自動化できる業務

MAツールを導入すると、具体的にはどのようなマーケティング業務を自動化できるのでしょうか。代表的なものを紹介します。

見込み顧客の管理

BtoBの場合はWebサイトの問い合わせフォームやメールでの問い合わせ、BtoCの場合はSNSのフォローなど、さまざまなルートから得られた見込み顧客の情報を一元管理できる機能です。この機能を活用することで、見込み顧客一人ひとりに最適なマーケティング施策を行えるようになります。

リードスコアリング

見込み顧客の行動に点数をつけ、スコアリングする機能です。BtoB企業では商品やサービスの資料をダウンロードしてくれる、BtoC企業ではECサイトで商品をカゴに追加してくれているなど、購入につながりそうな要素が増えるほどスコアが上昇します。

逆にメールマガジンを開封してくれないなど、商品やサービスの購入が見込めない要素が増えるほどスコアが下がります。多くの見込み顧客のスコアリングを手動で行うのは大変ですが、MAツールであれば自動で行ってくれるのです。

ターゲティング

見込み顧客をさまざまな条件で絞り込んで、マーケティング施策を行える機能です。
例えば、BtoBの場合は「商品やサービスの資料ダウンロード」を行った人を絞り込んで電話営業をかける、BtoCの場合は「自社のWebサイトを週に1回以上閲覧している」人を絞り込み、メール配信でさらなる興味を喚起するなど、見込み顧客の興味関心の段階に応じた施策が可能になります。

Web解析

Webサイトへの流入や離脱、滞在時間などの分析もMAツールで自動化できます。
例えば、見込み顧客へ配信したメールマガジンなどからWebサイトへのアクセスがあった場合、どの程度の時間Webサイトに滞在したのか、どのようにページを遷移したのかといったトラッキング情報から見込み顧客のニーズを分析し、最適なマーケティング施策を検討することも可能です。

メールマガジン配信

メールマガジンの配信は、重要なマーケティング施策のひとつです。すべての見込み顧客に同じメールを送るのではなく、顧客の属性や状態に合わせてメールの内容を調整することで、商品やサービスの購買意欲を高めることができます。
その際、役に立つのがMAツールです。
MAツールでは、下記のような各種メールの配信、メールの分析を行うことができます。

<MAツールで配信できる主なメール>

  • 見込み顧客の属性に合わせてメールの内容や配信タイミングなどを設定できるターゲティングメール
  • メールマガジン配信登録から1週間後など、特定のタイミングから起算した時間・日数にもとづきメールを配信できるステップメール
  • メールマガジンの開封や特定のページへのアクセスといった、ユーザーの行動に応じて配信するシナリオメール

<MAツールでできるメール分析>

  • メールマガジンの開封率測定
  • メールマガジン内に記載されているURLのクリック率測定

フォーム作成および分析

MAツールには、問い合わせやアンケートに使用するフォームの作成機能も備わっています。Web制作会社にフォーム作成を依頼するより、コストも時間もかかりません。フォーム修正も簡単にできるため、取得する情報を臨機応変に変更することも可能です。
また、フォームで収集したデータを、MAツール上で分析したり、エクセルなどのファイルで出力したりすることもできます。

マーケティング施策の管理

見込み顧客の属性に応じたマーケティング施策を自動的に実行できる機能です。
例えば、ECサイト(BtoC)の場合、Webサイトを初めて訪問した人には「サービスの概要」バナーを表示する一方で、以前にもWebサイトに訪問したことがある人には「限定クーポン」のバナーを表示するといった、バナーの出し分けなども可能になります。

ABテスト

MAツールでは、ここまでに挙げたマーケティング施策のABテストも行えます。同じ属性の見込み顧客に異なるメールを配信して効果を測定したり、キャンペーンごとの反響を検証したりして、より施策の精度を高めていけるでしょう。

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マーケティングオートメーション(MA)ツール導入のメリット

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MAツールを導入することで、企業にはどのようなメリットが生まれるでしょうか。ここでは、MAツール導入で得られる4つのメリットについて説明します。

業務の効率化

MAツールでマーケティング施策の自動化や見込み顧客の管理を行えば、その分業務の効率化につながります。効率化により生まれた時間を有効活用することで、より効果的なマーケティング施策を検討・実施できるかもしれません。

業務の生産性向上

一口に見込み顧客といっても、商談につながる可能性はまちまちです。MAツールを使うことで、見込み顧客をさらに細分化して分析できるため、より成約可能性の高い顧客への営業活動を強化することが可能になります。MAツールを導入し、活用することで、結果として営業業務の生産性を高められるのです。

顧客育成の手間軽減

見込み顧客一人ひとりに最適化されたマーケティング施策を実行することで、自社の商品やサービスへの興味関心をどんどん高めていくことが可能です。これを、見込み顧客を育成する、といいます。MAツールを活用することで、見込み顧客ごとに最適化されたマーケティング施策を自動的に実施できるため、育成の手間が大幅に軽減できるのです。

見込み顧客の増加

MAツールを使用することにより、これまで見逃していた潜在的な見込み顧客を獲得できる可能性が増します。
例えば、商品やサービスの展示会で名刺交換しただけの人などは、社内でデータベース化されていない場合もあるのではないでしょうか。このような人たちの情報をMAツールで可視化し、営業をかけ、見込み顧客に育成することも可能になります。

マーケティングオートメーション(MA)ツール比較9選

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現在、MAツールは各社からさまざま登場しています。それぞれ機能や使い勝手、コストなどが異なるため、自社に合ったものを選択しましょう。
ここでは、おすすめのMAツールを、BtoB、BtoCどちらの業態でも活用可能なツール、BtoBに特化しているツール、BtoCに特化しているツールの3種類に分けて紹介します。

BtoB/BtoCどちらでも活用可能なツール

Adobe Marketo Engage

「Adobe Marketo Engage」は、アドビ株式会社が提供しているMAツールです。現在、全世界で5,000社以上が導入しています。

BtoB、BtoCといった事業形態を問わず活用できる、汎用性が非常に高いMAツールです。また、Googleアナリティクスなど、多くのビジネスツールと連携できる点も長所といえるでしょう。

SATORI

「SATORI」は、SATORI株式会社が提供しているMAツールです。インターフェースがシンプルな作りなので、マーケティング初心者でも簡単に使用できるでしょう。また、匿名の顧客に対しても、条件を設定してキャンペーンやの出し分けやメールマガジンの配信を行うことが可能です。

b→dash

「b→dash」は、株式会社フロムスクラッチが提供するMAツールです。プログラミングする必要がなく、誰でも簡単にデータの「連携・取込・加工・統合・活用」を行えます。
また、MAに留まらず、CDPやBI、Web接客やスマートフォンアプリのプッシュ通知設定など、マーケティングに必要な機能が多数用意されているため、使いたい機能を選んでカスタマイズできます。

Marketing hub

「Marketing hub」は、HubSpotが提供するマーケティングソフトウェアです。
ランディングページやフォームの作成、メールマガジンの配信、見込み顧客の管理といったMAツールの基本的な機能はもちろん、Webサイトのコンテンツ制作やSEO、広告の管理、ソーシャルメディア管理など、さまざまな機能が備わっています。

SHANON MARKETING PLATFORM

「SHANON MARKETING PLATFORM」は、株式会社シャノンが提供するMAツールです。
見込み顧客を育成する機能が充実していることが特徴です。また、ランディングページやフォームを1クリックで作成でき、CMSとの連携で自社Webサイトにフォームを埋め込むこともできます。さらに、マーケティング施策のシナリオを設計することで、「認知」「興味関心」「比較検討」「商談」といった施策を自動で実施することも可能です。

Synergy!

「Synergy!」は、シナジーマーケティング株式会社が提供している、クラウド上でMAツールを利用できるサービスです。
集客から顧客情報の統合、クロスチャンネル・メッセージング、データ分析といったマーケティング業務を自動化し、効率良く行うための基本的な機能が不足なく搭載されているため、使い勝手のよいツールといえるでしょう。

KARTE

「KARTE」は、株式会社プレイドが提供するMAツールです。
Webサイトやアプリの訪問者の行動や感情を解析し、一人ひとりに合わせたマーケティング施策の実施が可能になります。また、MAシナリオをもとに適切なマーケティング施策を提供する「KARTE Action」や、点在するデータを統合する「KARTE Datahub」など、機能が充実していることも特徴といえるでしょう。

BtoBに特化したツール

Pardot

「Pardot」は、株式会社セールスフォース・ドットコムが提供する、BtoB特化型のMAツールです。
Salesforceのクラウドシステムとシームレスに連携が可能なため、社内システムにSalesforceを導入している企業であれば、まず導入を検討すべきMAツールといえます。

BtoCに特化したツール

Probance

「Probance」は、株式会社ブレインパッドが提供するMAツールです。
顧客データや購買履歴、クーポン利用履歴、ポイント履歴など、あらゆるデータを統合できます。また、AI(機械学習)により顧客の興味や行動を予測し、的確なコミュニケーションプランの立案が可能です。
また、提供元である株式会社ブレインパッドのデータビジネスプラットフォーム「Rtoaster」と連携することで、MAツールとしてだけではなく、BIツールとして活用することもできます。

ツール選定のポイントやおすすめツールは、以下の記事でもご紹介しているので、ぜひこちらも参考にしてみて下さい。

マーケティングオートメーション(MA)ツールは自社にとって最適なものを選ぶことが重要

MAツールを導入することにより、企業はマーケティング施策を自動化し、業務の効率化や見込み顧客の育成などを行えるようになります。

このページでは、おすすめのMAツールを9つご紹介しましたが、ほかにも数多くの製品が提供されているため、自社の業態や商品・サービスに適したツールを選ぶことが重要です。
例えば、Web解析にGoogleアナリティクスを使用しているのであれば、連携可能なMAツールを選ぶとマーケティングの精度の向上が期待できますし、マーケティングにおいて強化したい点が明確に決まっているなら、その部分に強いツールを選ぶのもよいでしょう。

MAツールを導入して、マーケティング効果をさらに高めていきましょう。


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著者(writer)
marketingX by goo 編集部

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