MA(マーケティングオートメーション)の効果的なシナリオ設計方法
企業と顧客を結びつける「マーケティングオートメーション(以下MA)」において、顧客とのコミュニケーションの筋書きとなるシナリオを設計することは重要です。顧客に対してのアプローチの方法やタイミングは、すべてシナリオによって決まるといって良いでしょう。効果的なシナリオを設計するためには、いくつかポイントがあります。そこで今回は、MAにおけるシナリオの設計方法を解説します。また、シナリオ設計機能が充実している、おすすめのMAツールも見ていきましょう。
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MAのシナリオとは?

MAのシナリオとは、顧客獲得から商品やサービスの購入までの、一連の筋書きのことをいいます。シナリオでは、どのようなアプローチをかけて、顧客とコミュニケーションをとっていくのかを設計していきます。
MAのシナリオは、広告やホームページへの訪問、メールマガジンなど、さまざまな入口をきっかけにして自社と接触したリードを育成し、CVに結び付けるためにも大きな効果を発揮するため、きちんと用意することが大切です。
ターゲットそれぞれに対するシナリオを用意する必要がある
MAのシナリオは、例えばBtoBの企業であれば顧客の業種、BtoCの企業であればユーザーのライフスタイルや属性などによって、それぞれ別のものを用意する必要があります。また、ターゲットの反応によってその後の展開も変わってくるため、反応を想定した上で次のアクションを考えなければなりません。MAのシナリオの精度や出来映えは、施策の効果の度合いに大きく影響するといえるでしょう。
効果的なMAシナリオを作るためのポイント
効果的なMAシナリオを作るためには、ターゲットに対して、自社サービスをいつ、どのようにアピールするのか、というコミュニケーション方法を明確にすることが大切です。このとき、「誰に(どのターゲットに)」「いつ」「どの自社サービスを」「どのように」という4つの要素が具体的であるほど、MAツールをフル活用できるようになるでしょう。
MAシナリオの作り方を4つのステップで紹介

先にご紹介したとおり、効果的なMAのシナリオを作るには「誰に(どのターゲットに)」「いつ」「どの自社サービスを」「どのように」という4つの要素を明確にする必要があります。
要素を明確にした上で、以下の手順でシナリオを設計するといいでしょう。
1.シナリオの目的設定
まず初めに決めておきたいのが、そのシナリオを何のために設定するか、ということです。例えば、BtoBの場合だと特定のサービスを契約している顧客へ新たなサービスを提供する、BtoCの場合だと割引キャンペーン対象商品を知らせるなど、特定の商品やサービスをアピールするため、というような形で設定します。
2.ターゲットの設定
続いて、アプローチするターゲットを決めます。MAのシナリオでも、まずはターゲットとする顧客を明確にしましょう。このターゲティングにおいては、顧客をライフサイクルや属性、行動などのいくつかの軸に基づいて分類していきます。
3.訴求内容の設定
ターゲットが決まったら、次にどのように商品やサービスを訴求するか、その手段やコンテンツを決めます。例えば、BtoB企業が新たなサービスの提供開始を訴求する場合は顧客企業へのメールマガジンの一斉配信、BtoC企業が割引キャンペーン対象商品を知らせる場合はWebサイトにキャンペーンページを開設など、どのように商品やサービスを訴求するか、詳しく決めていきます。
4.タイミング(トリガー)の設定
商品やサービスの訴求内容が決まったら、次はどのタイミングでアプローチを行うか決めていきましょう。
「メールマガジンを送る時間帯はいつなら読んでもらいやすいか」「キャンペーンページは何月何日に公開するか」といった軸で考える必要があります。
また、BtoB企業の場合は特に、メールマガジンなどでアプローチするのであれば、そのタイミングだけでなく頻度も検討します。
顧客が望まない時間や頻度でアプローチすると、メルマガの解約や企業への印象を下げるなど、逆効果を生んでしまいかねません。アピールするタイミングは、シナリオ設計の中でも特に慎重に決めるべき要素といえるでしょう。
おすすめのMAツール8選

効果的なMAのシナリオは、MAツールを活用することで設計しやすくなります。続いては、MAのシナリオの設定のしやすさという観点から、おすすめの8つのMAツールを、BtoB、BtoCどちらの業態でも活用可能なツール、BtoBに特化しているツール、BtoCに特化しているツールの3種類に分けて紹介します。
BtoB/BtoCどちらでも活用可能なツール
Adobe Marketo Engage
アドビ株式会社が提供するMAツール「Adobe Marketo Engage」は、顧客のステージに合わせた、中長期的なシナリオを設計できるツールです。
一度組んだシナリオは簡単に並べ替えることができるため、シナリオのブラッシュアップもしやすい点が強みといえるでしょう。
SATORI
SATORI株式会社のMAツール「SATORI」のシナリオ機能では、蓄積した顧客データの属性や興味関心、過去行動履歴などのデータを活用してセグメントすることが可能です。より効果的なメール配信を実現できるでしょう。
b→dash
株式会社フロムスクラッチの提供するMAプラットフォーム「b→dash」は、マーケティングに必要な幅広い機能を取り揃えています。メールによるアプローチはもちろん、LINEやSMS、アプリPUSHといった幅広いチャネルでアプローチが可能になっています。
Marketing Hub
HubSpotの提供する「Marketing Hub」は、マーケティングに必要なツールとデータが1ヵ所に集約されている便利なマーケティングソフトウェアです。ワークフロー機能を使えば、分岐や遅延の設定を含めたシナリオを作ることができます。テンプレートとアクションが複数用意されており、目的に合わせて選びながらシナリオを完成させることが可能です。
SHANON MARKETING PLATFORM
株式会社シャノンの提供するマーケティング支援ソフトウェア「SHANON MARKETING PLATFORM」も、シナリオ機能を搭載しています。基本的なシナリオ機能に加えて、メールマガジンに反応のない相手にハガキのダイレクトメールを送ったり、セミナーやイベントの来場データを活かしたシナリオ設計ができたりと、プラスアルファの機能が豊富です。操作性の高さにもこだわっており、複雑なシナリオでも工数をかけずに設計できます。
Synergy!
シナジーマーケティング株式会社のクラウド型CRMサービス「Synergy!」は、2020年7月から、メール配信機能を活用する企業の成果向上を目的にシナリオ機能を追加しています。サイトへのアクセスやメールの開封率、フォーム登録などの行動に応じて次のアクションを分岐させ、設定したゴールまでのシナリオを自動的に実行してくれます。メールマーケティングの成果向上が期待できるでしょう。
BtoBに特化したツール
Pardot
株式会社セールスフォース・ドットコムの提供するMAツール「Salesforce Pardot」では、設定したスコアリング(顧客の関心度)とグレーディング機能(顧客のランク)をもとに、各種アクションのシナリオを設計できます。顧客スコアを活用して、顧客一人ひとりに合わせたアプローチができる点が魅力です。
BtoCに特化したツール
Probance
株式会社ブレインパッドのMAツール「Probance」では、過去のメール施策の結果に応じたフォローアップメールを簡単に追加することが可能です。さらに、複数のメール施策の関連性を手軽に確認できるため、MAシナリオを設計した担当者以外でもフローを追いやすいというメリットがあります。チーム内で、大量のシナリオを管理する場合にぴったりです。
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MAシナリオ設計は適切なMAツールの活用で効率化できる
MAのシナリオ設計は、最初は時間がかかり難しく感じるものです。しかし、何度も設計を繰り返すことでターゲットに応じたシナリオをスムーズに作りやすくなり、ブラッシュアップを重ねれば精度を高めることができます。現在のMAにおける課題や必要なツールを洗い出し、自社に合ったMAツールを導入し活用することで、シナリオ設計を含めたMA全体の効率化を図ることができるでしょう。
NTTレゾナント株式会社および株式会社クロスリスティングでは、MAツールの選定・導入から施策策定・運用まで、統合的な支援を行っています。要件定義、導入環境構築、シナリオ作成、導入支援、運用支援などを、トータルでサポートいたします。
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