Facebook広告のターゲティングの種類と使い方

インターネット広告

利用者の多さと精度の高いターゲティングが魅力のFacebook広告。実名制のSNSという特性を生かし、BtoCからBtoBまで幅広い商材に向いていることや、ターゲットへのリーチ力に定評があります。
しかしながら、その多彩なターゲティングは設定すべき項目も多く、どれを選べば良いのか分からない、という方も多いと思います。
この記事ではそれぞれのターゲティングについて解説するとともに、目的に合わせた選び方や設定のコツをお伝えします。

Facebook広告の主なターゲット層

Meta社公式の発表によると、Facebookの日本国内 アクティブユーザー数は2019年時点で2600万人に達しています。利用者数を年代別に見ると、30〜40代の利用率が高く、高齢者層にもリーチしやすいことが特徴です。一方で、10代の利用率が他のSNSと比較して圧倒的に低く、若年層へ向けた広告にはやや不向きであることが分かります。

年代別SNS利用者数
総務省「令和3年度情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書

Facebook最大の特徴は、利用者が実名でユーザー登録をしている点です。顔見知りの知人・友人との交流や、ビジネスを目的としてFacebookを利用しているユーザーが多く、Facebook広告はユーザーの年齢や職業、居住地、などの正確な情報を元に細やかなターゲティングが可能となっています。

Facebook広告について知りたい方は、こちらの記事で詳しく解説しています。

Facebook広告のターゲティングは大きく分けて3種類

Facebook広告のターゲティングには、以下の3つがあります。

  • コアオーディエンス
  • カスタムオーディエンス
  • 類似オーディエンス

これらのターゲティングはキャンペーン配下の広告セットに対して設定でき、1つの広告セットに対して1つのオーディエンスをセットできます。

コアオーディエンス

コアオーディエンスは各広告セットに設定される基本のターゲティング項目です。広告を配信したいユーザーを絞り込む条件を設定します。Facebookユーザープロフィールに登録された情報や行動履歴を元にオーディエンスが作成されます。

自社の商品やサービスに関心を示す可能性が高いユーザーを見つけ出すために、ターゲットとなる顧客の特長やニーズ、普段から関心を持つカテゴリーや購買動機などを分析し、定義づけましょう。設定する項目の数や掛け合わせパターンにより、ターゲット層の幅やリーチしたいユーザー数を調整できます。

基本情報

基本情報は、年齢や性別、居住地など、ユーザーがプロフィールに登録している情報です。

地域都道府県や市町村、もしくは特定の地点から半径1〜80kmの範囲で地域を指定できます。ユーザーは以下の4種から指定でき、除外設定することも可能です。
・この地域に住んでいる人
・この地域のすべての人
・最近この地域にいた人
・この地域を旅行中の人
年齢Facebookを利用できる13歳から65歳まで、1歳ごとに設定できます。65歳以上は一括りで設定可能です。
ユーザーが10代(18歳未満)の場合、使用できるターゲティングが制限されるため、特別な理由がなければ18歳以上の範囲で設定することをお勧めします。
※2023年4月以降は、10代の利用者のみをターゲットとする広告セットを配信できなくなります。
性別「男性」「女性」「すべて」から選択できます。
※2023年3月以降はターゲットが18歳未満の場合、性別を選択できなくなります。
言語「日本語」や「英語」など、ユーザーの使用言語でセグメントできます。この項目を設定すると、プロフィールに言語を何も設定していないユーザーには広告が配信されなくなるため、基本的には設定しないでおくことをお勧めします。

詳細ターゲット

詳細ターゲットは、自社のブランドや商品に近いカテゴリーへ興味関心のあるユーザーをターゲットに設定できます。

利用者層「学歴」や「世帯収入」、「子供がいる人」「パートナーの有無」など、ユーザーがプロフィールに登録した情報を利用します。Facebook上で所属するコミュニティに向けて公開しているユーザーも多く、登録されていれば比較的信頼できるデータです。
趣味・関心ユーザーが投稿した記事や、「いいね!」したページの情報を元に、指定したカテゴリーへ興味関心の高いユーザーをターゲティングします。スポーツやアウトドア、美容、ファッション、ビジネスなどのカテゴリーから選択可能です。
行動旅行や購買行動、記念日など、ユーザーの行動履歴を元にターゲティングします。デバイスの利用状況などもこの項目で設定できます。

つながり

つながりは、広告主のFacebookページに対して「いいね!」した人や、Facebook上のイベントに参加した人、興味を示した人をリターゲティングできる機能です。既に自社やブランドを認知している可能性が高く、イベントの告知や終了後のフォローアップなども効果的に行えます。

コアオーディエンスの掛け合わせ方

コアオーディエンスは、各項目を「AND」「OR」「除外」のいずれかで掛け合わせます。「詳細ターゲット」は複数の条件を設定した場合「OR」のみ設定可能です。

AND、OR、除外の違い
OR、AND、除外の違い

カスタムオーディエンス

カスタムオーディエンスは既存顧客やリードを獲得した見込み顧客など、自社とすでにつながりのあるユーザーに対して広告を配信することができる機能です。Webサイトへアクセスした履歴や、自社が保有する顧客情報とFacebookのユーザー情報をマッチングさせ、ターゲティングを行います。

カスタムオーディエンスのメニュー

自社のブランドや商品に関心を寄せているユーザーをフォローできる他、競合他社が持っていない独自の情報をソースにオーディエンスを作成することが可能です。

ウェブサイト

自社のWebサイトへアクセスしたユーザーに対して最大180日間リターゲティングが行えます。特定のページを閲覧したユーザーやコンバージョンに至ったユーザーなど、グループを分けて広告を配信できます。Metaピクセル(Facebookピクセル)の情報を元にターゲティングを行うため、事前にWebサイトへMetaピクセルを設定する必要があります。

アプリアクティビティ

あらかじめ設定したアプリ内でユーザーが実行したアクションを元に、ターゲティングを行えます。例えば、カートに商品を追加したにも関わらず購入に至らなかったユーザーを対象に、購入を促す広告を配信することもできます。
購入金額やデバイス指定など、細かい設定を行うこともできます。

カスタマーリスト

メールアドレスや電話番号、住所など、自社が保有する顧客データをアップロードして、情報がマッチするFacebookユーザーをオーディエンスとして登録できます。既に関心の高いユーザーに対して広告を配信できる他、後述の「類似オーディエンス」に設定することで、顧客の新規開拓にも利用できます。

エンゲージメント

FacebookやInstagramなどで、自社のコンテンツに対しアクションを実行したユーザーをオーディエンスとして登録できます。「動画を再生した人」、「リード獲得フォームを開いた人」など、エンゲージメントの種類と期間を設定すると、その期間中にアクションを実行したユーザーが自動でリストに追加されます。

類似オーディエンス

類似オーディエンスは作成済みのカスタムオーディエンスに含まれる人と似た特徴を持つユーザーに対し、広告を配信する機能です。既存の顧客リストをデータソースとして使用すれば、優良な見込み顧客を開拓することにも繋がります。類似度の高さを1%〜10%の間で指定でき、類似度に合わせて異なる入札額を設定することも可能です。

類似オーディエンス設定画面

類似オーディエンスは、設定した条件に合うユーザーをFacebookのアルゴリズムによって見つけ出します。オーディエンスのリストは一定期間が経過すると自動で入れ替わるため、常に新しいユーザーに対して広告が配信されます。

Facebook広告でのターゲティングのコツ

targeting-of-facebook-ads

多様かつ精度の高いターゲティングができるFacebook広告ですが、やみくもに設定しては十分な効果を得られません。この項では、Facebook広告でターゲティングを行う際に押さえるべきポイントについて解説します。

目的に合わせてオーディエンスを組み合わせ、使い分ける

広告の目的を明確にした上で、3つのオーディエンスが持つ特性を理解し、適切なターゲティングを設定するようにしましょう。

自社の商品やサービスがまだ知られていない、認知度を上げたい場合は「コアオーディエンス」でターゲットへ広くリーチできます。

リピート率向上や、見込み顧客へのアプローチが目的の場合、「カスタムオーディエンス」を使えば、既に自社の商品・サービスへ関心を寄せているユーザーに対して購入を促すことができます。

Webサイトへの集客やアプリのダウンロード数を増やしたい場合は、「類似オーディエンス」がおすすめです。現在の顧客と似た特性のユーザーが自動でピックアップされるため、自社の商品・サービスに興味を持ってくれる可能性の高いユーザーに対して広告を配信できます。

ターゲティングを絞り込み過ぎない

オーディエンスを作成する際、最初はターゲティングを絞り込み過ぎないことが大切です。ターゲットを絞り込み過ぎると広告の配信先が少なくなり、十分な効果が得られません。また、Facebookが機械学習によって広告を最適化させるためにも、十分なデータの蓄積が必要です。

広告マネージャーでは、広告セットを作成する際にターゲットのボリュームを「推定オーディエンスサイズ」である程度把握することができます。ターゲットの絞り込みは、広告配信後に結果を見ながら少しずつ調整することをお勧めします。

推定オーディエンスサイズの画面

複数のターゲティングを並行して行う

オーディエンスは1つの広告セットに対して1つ設定しますが、ターゲティングを変えた複数の広告セットを用意し、並行して広告を運用するようにします。

属性や関心層を変えていくつかのパターンで配信結果を比較し、効果が得られる最適な組み合わせを探ることで、より精度の高いターゲティングが可能になります。効果の得られないターゲティングは広告セットごと停止できます。

ターゲティングを重複させない

複数オーディエンスを作成した際は、各オーディエンスのターゲットが被らないようにすることも重要です。ターゲットが重なると自社の広告同士でユーザーを取り合うことになり、広告のパフォーマンスが落ちてしまいます。
ターゲティングはそれぞれ異なる属性で作成するようにします。

まとめ

ここまで、Facebook広告のターゲティングについて解説しました。
種類が多くて一件複雑に見えますが、Facebook上にいるどんなユーザーへ広告を届けたいのか、顧客をしっかりと分析した上で選択と組み合わせを工夫すれば、強力なターゲティングが行えます。

運用を続けることでデータが蓄積され、新しいユーザーの獲得にもつながります。効果的な広告配信のために、この記事が参考になれば幸いです。


当社では、FecebookやInstagramなどMeta社の広告運用や広告戦略の支援を行っています。

Facebook・Instagram広告の特徴や勝ちパターンについて解説した資料もご用意しておりますので、ぜひダウンロードしてご活用ください。

筆者紹介 muro

marketingX立ち上げ当初から関わり、運用型広告を中心に幅広い情報を発信しています。
Webマーケティング初心者でも分かりやすい・読みやすい記事の制作を心がけています。

関連記事一覧