サイト改善につながるユーザー行動分析【初級編】~Googleアナリティクスを活用した分析~

サイト改善

ウェブサイトの成功は、ユーザー行動を理解し、それに基づいて最適化を行うことが大切です。

ここでユーザー行動分析が重要な役割を果たします。
この分析を通じて、訪問者がサイト内でどのように行動しているか、どのページを最も閲覧しているか、どのポイントで離脱しているかなど、貴重な洞察を得ることができます。

この記事では、Googleアナリティクス(GA4)を用いたユーザー行動分析の基本から応用までを、段階的に解説していきます。

サイトのパフォーマンス向上に役立てるための実践的な知識を、一緒に深めていきましょう。

Googleアナリティクスでのユーザー行動分析の基本

Googleアナリティクスを用いたユーザー行動分析を理解することは、ウェブサイトの成果向上につながります。

このセクションでは、セッションの理解、ページビュー、平均エンゲージメント時間の計測、そして直帰率の分析に焦点を当てます。

これらの指標を正確に読み解き、適切に活用することで、サイト訪問者の行動パターンを明らかにし、サイトの設計やコンテンツを最適化するための具体的なアクションプランを立てることが可能になります。

イベントトラッキングの設定から、ユーザーの興味や関心を示す行動の追跡まで、Googleアナリティクスは貴重な洞察を提供し、サイト改善の方向性を示してくれます。

セッションとは?セッションの定義やセッションを追跡する意味

セッションとは、ユーザーがウェブサイトに訪問してから離れるまでの一連の活動を指します。

具体的には、ユーザーがサイトにアクセスしてから閉じる、または一定時間活動がない状態が続くまでの期間です。(デフォルトでは30分間操作がなければセッション終了)

この期間内に行われるページビュー、クリック、フォームの送信などのアクションが含まれます。

Googleアナリティクスでセッションを追跡することは、訪問者がサイト内でどのように行動しているかを理解する上で非常に重要です。

セッションのデータを分析することで、ユーザーがサイトにどれだけの時間を費やしているか、最も関心を持っているコンテンツは何か、そしてどのタイミングでサイトを離れるかなど、貴重な洞察を得ることができます。

これらの情報は、サイトのユーザビリティの改善、コンテンツの最適化、またはマーケティング戦略の調整に役立ちます。

Googleアナリティクスを用いたセッションの追跡と分析は、ウェブサイトのパフォーマンスを向上させ、最終的にはコンバージョン率の増加につながる重要なプロセスです。

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ユーザー行動を追跡する指標

ユーザーの行動を追跡する上で、Googleアナリティクスはいくつかの重要な指標を提供します。

ページビューは、ウェブサイト上の特定のページが表示された回数を示し、訪問者の関心度やサイトの人気コンテンツを理解するのに役立ちます。

平均エンゲージメント時間は、ユーザーがウェブサイトを実際に見ている時間の平均を表します。

直帰率は、訪問者が一つのページを見てサイトからすぐに離れる割合を表し、サイトの最初の印象やナビゲーションの有効性を評価するのに重要です。

これらの指標を分析することで、ウェブサイトがユーザーにどのように受け入れられているか、どのエリアが改善を必要としているかを把握し、よりユーザーフレンドリーなサイト設計へと導くことができます。

ページビューが多いページの確認方法

  1. レポート
  2. エンゲージメント
  3. ページとスクリーン
  4. 日付の調整
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※画像はGoogleアナリティクスのデモアカウント

平均エンゲージメント時間の確認方法

  1. レポート
  2. エンゲージメント
  3. 概要
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※画像はGoogleアナリティクスのデモアカウント

イベントトラッキング

イベントトラッキングは、Googleアナリティクスを用いてウェブサイト上での特定のユーザー行動や相互作用を詳細に追跡する機能です。

この機能により、ボタンのクリック、動画の再生、ファイルのダウンロード、フォームの送信など、ページビュー以外の活動を捉えることができます。

イベントトラッキングを活用するためには、追跡したい行動ごとにウェブサイトの該当部分に特定の追跡コードを追加する作業が必要です。

イベントは「カテゴリ」、「アクション」、「ラベル」、「値」(数値)という4つの項目を付与しながら計測できます。

これらを組み合わせることで、多様なユーザー行動の分析が可能になります。

例えば、どのボタンがどれだけクリックされたかや、フォームがどの程度送信されているかなどの情報を得ることができます。

イベントトラッキングから得られる情報を分析することで、ウェブサイトのユーザーエンゲージメントを具体的に理解し、ユーザー体験の向上につなげることが可能です。

イベントトラッキングの設定を簡単にご紹介すると下記の2ステップです。(詳細割愛)

  1. HTMLにイベントトラッキング用の記述を追加
  2. Googleアナリティクスの目標にイベントを追加

設定したイベントがどれくらい計測されているかの確認方法

  1. レポート
  2. エンゲージメント
  3. イベント
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※画像はGoogleアナリティクスのデモアカウント

ユーザー行動の詳細な分析方法

ユーザー行動の詳細な分析は、ウェブサイトのエンゲージメントとコンバージョンを深く理解し、改善策を導くために不可欠です。

この項目では、訪問者のサイト内行動の分析、重要な目標達成を計るコンバージョン計測、そして異なるユーザーグループの行動を比較するセグメント分析に焦点を当てます。

これらの分析方法を駆使することで、訪問者がサイトに何を求め、どのポイントで関心を失っているのかを特定し、具体的な改善点を明らかにします。

Googleアナリティクスを活用して、サイトのパフォーマンスを根本から向上させる取り組みを展開しましょう。

ユーザーフローの分析

ユーザーフローの分析は、訪問者がウェブサイト内でどのように移動しているかを視覚的に把握するためです。

この分析を通じて、ユーザーが最初に訪れるページから、興味を持ってクリックする項目、そして最終的に辿り着く目的地までを確認できます。

この情報は、訪問者がサイト内でどのコンテンツに引き寄せられ、どのポイントで離脱する傾向にあるかを明らかにし、サイトの設計やコンテンツ戦略に直接的な洞察を提供します。

ユーザーのサイト内行動を改善するには、ユーザーフロー分析から得られたデータを基に、サイトのナビゲーションをより直感的にし、重要な情報やコンバージョンに関連するページへのアクセスを容易にすることが重要です。

例えば、よく訪れるページへのリンクを強調したり、ユーザーがよく離脱するポイントでの案内を改善することで、訪問者のサイト内での体験を向上させ、目的達成率を高めることが期待できます。

ユーザーフローの分析と改善は、訪問者にとって価値あるサイト体験を提供し、サイトの全体的なパフォーマンス向上につながります。

ユーザーフローの確認方法(始点スタート)

「経路データ探索」機能から洞察を得る方法です。

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①探索レポートから「経路データ探索」を選択
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②「ステップ+1」の種類を「ページタイトルとスクリーン名」に変える。
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③調べたいページタイトルをクリックする。
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④調べたいページを深掘りしていく。
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※内訳に「デバイスカテゴリ」を追加すると、デバイス情報も同時にチェックできる。

コンバージョンの計測

コンバージョンの計測は、ウェブサイトの目標達成を計測する重要なプロセスです。

コンバージョンとは、訪問者がサイト上で期待された特定の行動を取ること、例えば商品の購入、メールリストへの登録、問い合わせフォームの送信などを指します。

コンバージョン率は、これらがどれだけの確率で達成されているかを示す指標であり、サイトの目標達成を測る基準となります。

コンバージョン率を向上させるには、まず訪問者がサイトで目的を達成しやすい環境を作ることが必要です。

これには、ユーザーインターフェースの改善、コンテンツの質の向上、ナビゲーションの簡素化、そして明確なコールトゥアクション(CTA)の配置が含まれます。

また、A/Bテストを実施して、異なるデザインやコンテンツがコンバージョン率にどのように影響するかを評価することも、効果的な取り組みです。

これらの取り組みにより、訪問者のエンゲージメントを高め、サイトの目標達成に直結する行動を促すことができます。

コンバージョンの確認方法

  1. レポート
  2. エンゲージメント
  3. コンバージョン
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セグメントの使用

セグメントの使用は、Googleアナリティクスでのデータ分析をより精密に行うための手法です。

セグメントを作成し適用することで、特定のユーザーグループの行動を分離して分析することが可能になり、よりターゲットを絞った洞察を得ることができます。

例えば、新規訪問者とリピーター、特定の地域からの訪問者、特定のデバイスを使用しているユーザーなど、さまざまな基準でセグメントを定義できます。

セグメントを使った分析の例としては、新規訪問者のコンバージョン率とリピーターのコンバージョン率を比較して、どちらのグループがより価値が高いかを判断することが挙げられます。

また、特定のキャンペーンを通じてサイトに訪れたユーザーの行動パターンを分析し、そのキャンペーンの効果を評価することもできます。

セグメントを活用することで、ウェブサイトやマーケティング戦略の改善点を特定し、より効果的なアクションプランを立てるための具体的なデータを取得できます。

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ユーザー行動分析を活用したサイト改善戦略

ユーザー行動分析を活用したサイト改善戦略は、訪問者の体験を最適化し、ウェブサイトのパフォーマンスを向上させるための重要なステップです。

Googleアナリティクスから得られるデータを基に、コンテンツ最適化、ユーザーエクスペリエンスの改善、マーケティングキャンペーンの効率化など、様々な面で具体的な改善策を実施できます。

このプロセスでは、ページビュー、平均エンゲージメント時間、直帰率などの指標を詳細に分析し、ユーザーがサイト内でどのように行動しているかを深く理解することが求められます。

そうすることで、訪問者にとって価値のあるエンゲージメントを提供し、最終的にはコンバージョン率の向上につながるサイトへと導くことが可能になります。

コンテンツの最適化

コンテンツ最適化は、ウェブサイトの魅力を高め、訪問者のエンゲージメントを向上させる重要な手段です。

このプロセスの第一歩として、Googleアナリティクスを使用して人気のあるページを特定します。

ページビュー数、平均エンゲージメント時間、共有回数などの指標から、訪問者にとって価値の高いコンテンツを見極めることができます。

次に、これらのデータを深く分析し、何がユーザーを引きつけ、関与させているのかを理解します。

コンテンツ改善のための分析では、成功しているページの共通点を探り、その要素をサイト全体に適用することが目標です。

例えば、ビジュアル要素、話題の選定、読みやすいレイアウトなどが挙げられます。

また、直帰率が高いページやエンゲージメントが低いコンテンツについては、ユーザー体験を改善するための再設計が必要になります。

コンテンツの質を継続的に評価し、最適化することで、訪問者の満足度を高め、ウェブサイトの全体的なパフォーマンスを向上させることが可能です。

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ユーザーエクスペリエンスの改善

ユーザーエクスペリエンスの改善は、訪問者がウェブサイトでより良い体験を得られるようにするために不可欠です。

直帰率の改善に着手することは、この目的を達成するための第一歩です。

直帰率が高いということは、訪問者がページを見てすぐにサイトを離れていることを意味します。

これを改善するには、魅力的なコンテンツを提供し、ページのローディング時間を短縮し、強力なコールトゥアクションを配置することが効果的です。

サイトナビゲーションの改善もまた、ユーザーエクスペリエンスを高める重要な要素です。

訪問者が求めている情報を簡単に見つけられるように、直感的でわかりやすいナビゲーションメニューを設計することが重要です。

サイトマップの最適化、クリアなラベリング、効果的な検索機能の導入などを通じて、ユーザーが目的とするページにスムーズにアクセスできるようにしましょう。

これらの改善策を実施することで、訪問者はサイト内での時間をより有意義に過ごし、最終的にはコンバージョン率の向上につながります。

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マーケティングキャンペーンの最適化

マーケティングキャンペーンの最適化は、キャンペーンパフォーマンスの詳細な分析から始まります。

Googleアナリティクスを活用して、キャンペーンから発生するトラフィック、リード、コンバージョンの数を追跡し、それらのデータを基にキャンペーンの効果を評価します。

この分析により、特定のキャンペーンが目標とするオーディエンスにどの程度響いているか、また、投資に対するリターン(ROI)はどの程度かが明確になります。

ROIを向上させるためには、効果の低い要因を特定し、より成果をもたらすよう改善する必要があります。

例えば、特定の広告文やキャンペーンのランディングページが期待通りの成果を上げていない場合、そのコンテンツやデザインの改善が必要です。

また、高い成果を示すキャンペーン戦略をさらに強化し、ターゲットオーディエンスに適切にリーチするための方法を模索することも大切です。

このように、データ駆動型のアプローチを取ることで、マーケティングキャンペーンのパフォーマンスを最適化し、より高いROIを実現することができます。

まとめ:Googleアナリティクスを活用した継続的なサイト改善の重要性

この記事では、ユーザー行動分析の重要性と、その分析ツールであるGoogleアナリティクスについて取り上げました。

ユーザー行動の詳細な理解は、ウェブサイトの成功に不可欠です。

Googleアナリティクスを活用することで、訪問者の行動パターンを明らかにし、サイトの弱点を特定することにつながります。

この知見をもとに、コンテンツ最適化、ユーザーエクスペリエンスの改善、マーケティングキャンペーンの効率化など、具体的な改善策を講じることが可能です。

継続的な分析と改善のサイクルを実施することで、サイトは常にユーザーのニーズに応え、ビジネスの目標達成に近づくことができます。

ユーザー行動分析は単なるデータ収集以上の意味を持ち、長期的な成功へ向けた“ユーザー理解”につながります。

筆者紹介 きむ
新規事業開発やデジタルマーケティングチームに所属し、Webマーケティングを勉強中。さまざまな事業において、Webをどのように活用しているのか、最新のWeb活用に興味があります。

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