Webマーケティングの「コンバージョン」入門ガイド

インターネット広告

Webマーケティングにおいて、「成果」を意味する「コンバージョン(CV)」は、広告やWebサイトのパフォーマンスを示す重要な指標です。マーケティングやWebの担当者であればよく耳にするこの言葉ですが、計測方法や考え方によっていくつかの種類に分かれることはご存じでしょうか?

この記事では、コンバージョンの概要や具体例、コンバージョンの種類について詳しく解説します。

コンバージョンとは

コンバージョンのイメージ図

コンバージョンとは、Webサイトの訪問者が、サイト上で設定した目的に沿った特定のアクションを取ることを指します。商品の購入や問合せ、会員登録などが、コンバージョンにあたります。コンバージョン(conversion)という言葉は、直訳すると「変換・転換」という言葉になります。Webサイトの訪問者が顧客に「転換する」という意味から、この言葉が使われています。

Webマーケティングにおけるコンバージョンは、最終的な目標・成果として設定されることが殆どで、実行した施策の効果を測る重要な指標になります。コンバージョンを設定し、効果計測することで、広告がどれだけ売上に貢献したのか、Webサイトがその目的を十分に達成しているか、などを客観的に評価することができます。

コンバージョンの例

コンバージョンとなるユーザーの行動は、業種やWebサイトの目的によって大きく異なります。また、コンバージョンは1つだけでなく複数設定することができます。

業種/Webサイトの種類コンバージョンの例
通販・ECサイト商品購入
企業サイトお問い合わせ、資料請求、見積依頼 
ソフトウェア・アプリ無料トライアル登録、有料登録 
Webメディア記事の購読、メールマガジン登録
不動産物件問合わせ、内覧予約
イベントイベント申込・チケット購入

コンバージョンの種類

コンバージョンは、その計測方法や考え方、求める成果によって複数の種類に分類できます。

総コンバージョン、ユニークコンバージョン

総コンバージョンは、任意の計測期間中に発生した全てのコンバージョン。ユニークコンバージョンは、任意の計測期間中で最初に発生したコンバージョン。

総コンバージョンは、Webサイト上で発生した全てのコンバージョン数、ユニークコンバージョンは、コンバージョンに至った人の数を計測します。ユニークコンバージョンの計測期間は任意で設定でき、デフォルトは30日です。

1人のユーザーが広告をクリックしてから計測期間内にコンバージョンとなる行動を3回取った場合、総コンバージョンは3回、ユニークコンバージョンは1回とカウントします。

総コンバージョンとユニークコンバージョンは、Webサイトの目的や対象によって使い分けられます。通販サイトなど、売上を目標とした場合は総コンバージョンが適しています。リード獲得など、「何人コンバージョンしたか」を目標とする場合は、ユニークコンバージョンが重視されます。

クリックスルーコンバージョン、ビュースルーコンバージョン

クリックスルーコンバージョンは、広告をクリックしたユーザーのコンバージョン。ビュースルーコンバージョンは、広告をクリックしなかったユーザーのコンバージョン。

クリックスルーコンバージョン、ビュースルーコンバージョンは、それぞれ広告の効果を計測する指標です。

クリックスルーコンバージョンは、ユーザーが広告をクリックした後にコンバージョンへ至った数です。広告の直接的な効果を測るのに適しています。ビュースルーコンバージョンは、ユーザーが広告を見たもののクリックせず、その後、検索など別の方法でWebサイトに訪問し、コンバージョンへ至った数を表します。主にバナー広告や動画広告の評価に用いられ、広告の長期的な影響や、ブランド認知などの潜在的な効果を測る指標として使われています。

直接コンバージョン、間接コンバージョン

直コンバージョンは、ユーザーがWebサイトから離脱せずコンバージョンした場合。間接コンバージョンは、一旦Webから離脱したユーザーが、再訪してコンバージョンした場合。

直接コンバージョンは、Webサイトを訪問したユーザーが、途中で離脱することなくコンバージョンに至った数です。間接コンバージョンは、最初の訪問ではコンバージョンせず離脱したものの、その後Webサイトを再訪してコンバージョンに至った数です。Googleアナリティクスでは、間接コンバージョンは「アシストコンバージョン」と呼ばれています。

直接コンバージョンは顧客の購入意欲が既に高い場合に発生しますが、一般的には、顧客は様々なチャネルで情報を収集したあとに購入を決定する場合が多くなります。高価な商品やサービス、検討期間が長いBtoB商材など、顧客の購買決定までのプロセスが複数の段階にわたる場合は、直接コンバージョンに加えて間接コンバージョンも評価することで、適切な予算配分に活かすことができます。

マイクロコンバージョン

マイクロコンバージョンは、最終コンバージョンに至るまでの段階的な行動を目標としたもの

マイクロコンバージョンは、Webサイトの最終的な目標達成(マクロコンバージョン)に至る前に設ける、段階的なコンバージョンです。申し込みフォームに到達した、商品をカートへ追加した、ビデオを視聴した、などの行動がマイクロコンバージョンにあたります。

マイクロコンバージョンの数は、ユーザーがサイトの内容に興味を持っていて、最終的な購入や問い合わせといったマクロコンバージョンに繋がる可能性を有しています。マイクロコンバージョンを分析することで、ユーザーがサイト内でどのような経路を辿ってコンバージョンするのか、どこで購入を諦めてしまうのかを理解することに役立てられます。

コンバージョン率(CVR)とは

コンバージョン率(CVR)は、Webサイトやページを訪問したユーザーのうち、どれくらいの人が成約に至ったかを割合で示した指標です。

コンバージョン率(CVR,%)=コンバージョン数÷サイトへの訪問数×100

1000人がウェブサイトを訪れて、そのうち50人が商品を購入した場合、コンバージョン率は(50 ÷ 1000)× 100 = 5%になります。訪れた1000人のうち5%が目標の行動を完了したことを意味します。

コンバージョン最適化(CRO)とは

コンバージョン最適化(Conversion Rate Optimization, CRO)は、Webサイト訪問者を顧客に変換する確率を高めるための施策を指します。ページのデザイン、コンテンツ、ナビゲーション、フォームの配置といったユーザー体験(UX)の改善や、A/Bテストなどの手法が用いられています。

例えば、オンラインショップがある日に1000人の訪問者を得たとき、CVRが1%だと10人が購入しますが、CROによってCVRを2%に上げることができれば、同じ訪問者数で20人の購入者を得ることができ、売上が倍増します。CROは、広告を打つなど訪問者の数を増やす施策ではなく、訪問者を顧客に転換することに焦点を当てている点がポイントです。

まとめ

コンバージョンの概要や具体例、コンバージョンの種類について解説しました。一口に「コンバージョン」と言っても、成果となるポイントはその切り口によって様々です。顧客のどんなアクションが自社の利益に繋がるかを整理し、コンバージョンを設定しましょう。

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筆者紹介 muro

marketingX立ち上げ当初から関わり、運用型広告を中心に幅広い情報を発信しています。
Webマーケティング初心者でも分かりやすい・読みやすい記事の制作を心がけています。

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