CRO(コンバージョン率最適化)とは?Webマーケティングに効果的な施策を解説

データソリューション

昨今のコロナ禍の影響もあり、消費者のオンラインサービスの利用が拡大、普及した状況においては、以前にも増してCROに力を入れる企業が増えています。

本記事では、コンバージョン率改善の基本から施策の種類、改善のポイント等を解説していきます。

CRO(コンバージョン率最適化)とは?

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CROとは、「Conversion Rate Optimization」の略称で、日本語では「コンバージョン率最適化」と訳されます。CROを正しく理解するためには、前提としてコンバージョン率(CVR)を理解する必要があります。コンバージョン率を簡単に説明すると、Webサイトに訪れた人の中で、対象サイトが目標としているアクションを起こしてくれた人の割合です。コンバージョン率について詳しく知りたい方は、下記記事で詳しく解説しているので、ぜひご覧ください。

CROは、このコンバージョン率を高めるための取り組みや手法のことをいいます。

多くの企業がWeb戦略をたて、サイト運営に力を入れて顧客獲得を競っているため、必然的に集客にかかるコストが高くなる傾向にあります。

当然ながら、それを回収するためには見合った収益を上げていく必要があるため、CROに注力する企業が増えているのです。

CRO施策例

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それでは、CRO施策とはどのようなものか、代表的な施策例を見ていきましょう。
ご紹介する施策の中にはすぐに実践できるものもございますので、ぜひ参考になさって下さい。

ランディングページを最適化する(LPO)

LPOは「Landing Page Optimization」の略で、ランディングページの最適化を意味します。ランディングページ(LP)は、Web広告等から遷移したユーザーが最初に目にするページを指します。このページの構成やデザイン、コピーを改善し、ユーザーを目標とするアクション(例: 商品の購入、会員登録、ダウンロード、問い合わせ等)に誘導し、コンバージョン率を高める施策のことをいいます。

導線の見直し

「導線」とは、サイトに訪問したユーザーをコンバージョンに誘導するために、Webサイトの運営側が準備した経路の事をいいます。あらかじめユーザーの行動を予測し導線の設計をしますが、実際のユーザーがサイト上で通る経路である「動線」とは、乖離することがしばしばあります。この乖離の原因を分析し、定期的に導線を見直すことはCROにおいて重要な取り組みの1つです。

CTAの改善

CTAは「Call To Action」の略で、日本語では「行動喚起」と訳されます。Webサイト上でユーザーに特定のアクションを促すために設置されるCTAボタンのことで、「購入する」「問い合わせをする」等コンバージョンに直結する重要な要素です。

具体的には、ボタンの設置位置の改善と、ボタンのカラー、サイズ、ボタン内のテキストといったクリエイティブの改善があります。比較的取り組みやすい施策ですので、ABテストによる客観的な比較を行いながら最適化していきましょう。

エントリーフォームを最適化する(EFO)

EFOは「Entry Form Optimization」の略で、エントリーフォームの最適化を意味します。

具体的には、ユーザーが個人情報や支払い情報の入力を完結しやすいように、申込フォームのデザインやUI/UXを最適化する施策を指します。コンバージョンに直結するため、CROには欠かせない施策の1つです。

Web接客施策

ユーザーの行動に合わせてポップアップウィンドウを表示させ、ページの離脱を防いだりコンバージョンの後押しをする事も効果的なCRO施策です。

チャットボットの声がけによって離脱の要因となるユーザーの不安要素を払拭したり、ポップアップで有益な情報を提供し特定のアクションを促す等、顧客体験を向上させることはコンバージョン率の改善につながります。

Web接客施策について詳しく知りたい方はこちらの記事もご参考になさって下さい。

CRO施策でのユーザーの行動分析

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ここまでCROの施策例をご紹介してきましたが、やみくもに策を打っても簡単に成果には繋がりません。Webサイトにおいては様々な要素がユーザーのコンバージョンに影響を与えています。サイト上のユーザー行動を定量的・定性的に把握し、コンバージョン率が伸びない要因がどこにあるのかを正しく見極めていく必要があります。

これからご紹介する手法を参考に、ユーザー行動の把握、コンバージョンの妨げになっている要因を分析し、効果的な改善を図っていきましょう。

アクセス解析

Google Analytics等のアクセス解析を通じて、コンバージョン導線を把握しましょう。

コンバージョン導線とは、ユーザーがどこから流入し、どのようなページを通ってコンバージョンに至ったかという道筋の事です。勝ちパターンとなる導線や、離脱ポイントを定量的に把握することで、優先して改善すべきページや見直すべき導線が明確になるでしょう。

ヒートマップ分析

ヒートマップ分析では、Webサイト上のユーザー行動が数値や色で可視化され、直観的に理解する事ができます。クリック箇所だけでなく、どこまでスクロールされているかや、ページ内でよく読まれている箇所の把握等、アクセス解析だけでは分からないより詳細なユーザー行動を把握することができ、WebサイトのUI/UX改善に役立てることができます。

ユーザーの行動観察調査

データに基づくユーザー行動の把握はCROに取り組む際に必須ですが、一方で数値に基づく分析だけでは、実際のユーザー感覚とのズレが生じる場合があります。そのため、サイト利用者に対してアンケートやインタビューを実施する等、定性的な調査を行う事も有効な方法の一つです。時間や手間がかけられない場合には、自ら顧客になったつもりでサイトを利用してみるだけでも、仮説立ての助けや改善のヒントを得られる事があるでしょう。

ABテスト

ABテストは、Webサイトやモバイルアプリ等において、特定の要素を変更した2つのパターンを用意し、どちらがユーザーに対して効果的か比較するテストの事です。

WebマーケティングにおいてABテストは定番の手法ですが、CROにおいてもABテストの活用が必須です。先述の申込フォームやCTAの改善、導線の最適化、Web接客等、どの施策においてもABテストによる検証を繰り返し行い、各要素を最適化していく事がWebサイト全体のコンバージョン率改善につながります。

CRO施策を成功に導くポイント

CROの取り組みを行っていると、改善すべき課題がWebサイト上に散見され、個別の指標にばかり注意が向いてしまう事があります。あくまでも最終的なゴールはサイト全体としての収益拡大です。まずは顧客目線に立ち、例えば、広告ページからLPサイトの流れに違和感はないか、LPサイトから入力フォームの流れにストレスはないかといった全体の道筋を見直しましょう。その上で個々の施策がWebサイト全体の最適化につながるものになっているかを意識し施策を設計することが重要です。

また、ここまでの解説でお分かりの通り、CROの取り組みは一朝一夕で成果が出るものではありません。コンバージョン率の改善は、持続的なプロセスであり、検証と最適化を通じて実現されます。ユーザーのニーズや行動を理解し、根気強く改善を追求する姿勢が成功への鍵となるでしょう。

まとめ

今回の記事では、CROの施策例や分析手法、成功のポイントをご紹介してきましたが、いかがでしたでしょうか。

繰り返しになりますが、CROは単発で効果が見込めるものではなく、継続的にPDCAを回しWEBサイトの収益拡大を目指す施策です。

時間もリソースもかかる作業ですが、Webサイトで最大限の成果を求めるのであれば欠かせない取り組みと言えます。この記事が実践の助けになれば幸いです。

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筆者紹介
マーケティングリサーチ会社、広告代理店などを経て、現在は弊社データソリューションチームに所属。
MAを活用したマーケティング戦略の立案・実行、BI運用支援などクライアントのCRM活動におけるコンサルティング業務に従事。

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