サーバーサイドGTMとは?その特徴や導入するメリットを紹介

アクセス解析

Webサイトやモバイルアプリの運営を行っていると、アクセス解析や広告関連などの「タグ」を埋め込む機会が頻繁に発生します。これを手軽にかつ素早く行ってくれるのが、「GTM」(Google タグ マネージャー)です。
そして、GTMを活用する上で覚えておきたいのが、GTMに新しく追加された「サーバーサイド タグ」という機能です。
ここでは、GTMの必要性のほか、GTMのサーバーサイド タグ機能(サーバーサイドGTM)を通じたタグマネジメントの重要性について解説します。

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Webマーケティングに欠かすことのできないタグ

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タグとは、Webページを制作する際に用いる命令用のコードのことです。Webテクノロジーが進化した今日では、Webページの制作だけでなく、Web広告やSEOの効果測定など、Webマーケティングにおいてもタグは重要な役割を果たしています。

Webサイト制作を行った経験のある方なら、クリック数や会員登録数、商品の購入数などを計測する「コンバージョンタグ」、Google アナリティクスやA/Bテストツールなどの「ツール制御タグ」、訪問ユーザーごとに最適な広告表示を行う「リターゲティングタグ」などを用いた経験があることでしょう。
それらのタグをページに加えることを、「タグを埋め込む」と表現します。昨今のWebサイト運営では、目的ごとにタグを埋め込むことで、広告効果の測定などを行うことが主流となっています。

タグマネジメントを一元管理してくれるGTMとは?

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タグは、解析や広告表示、SNS管理をはじめ、たくさんの便利な機能を提供してくれるため、現在のWebサイト運営には欠かすことができません。ただし、Webサイトなどの仕様変更やリニューアルの際は、それまでページ内に配置していたタグもページごとに差し替える必要が生じます。タグを多く使っているような場合や、頻繁にWebサイトの仕様が変更されるような場合、この作業は大きな負担となります。

そうしたわずらわしいタグマネジメントを、一括管理してくれるのがGTMです。GTMを用いることにより、これまではWebサイトやアプリ、SNSなど、個別に管理する必要があったタグマネジメントを、一元管理することが可能となります。保守性の向上や業務効率化において、大きな利便性をもたらしてくれるのです。
ここでは、そんなGTMが持つ利便性を具体的に4つ紹介します。

タグの設置・管理性能が向上する

GTMのようなタグマネージャーを使用しない場合、計測したいページすべてにタグを手動で設置する必要が生じます。しかし、GTMを用いると、HTMLにふれることなく、対象となるすべてのページへのタグ設置を一括で行えるようになります。

プレビューモードで動作の確認ができる

GTMには、プレビューモードが備えられています。そのため、タグの動作確認やタグが正しく反映されているかは、公開前にチェックすることが可能です。また、プレビューの段階でエラーが発生したとしても、すぐに修正することができます。プレビューモードは、公開直後のエラー発覚を避ける上でも欠かせない機能といえるでしょう。

バージョン管理が容易になる

Webサイトを運営していく上では、「タグがいつ更新されたのか」といった更新履歴の把握が重要となります。これを手動で行おうとすれば、Webサイト内に存在するページやサービスごとの管理が必要となり、大きな手間が生じるでしょう。その点、GTMにはバージョン管理機能が搭載されていますので、簡単に更新履歴の管理が行えます。特に、不具合が生じたときなどは、安定していたときのバージョンへと戻し、迅速に復旧を図ることが可能です。

無料で使える

個人や中小企業で利用する規模であれば、無料で活用できることもGTMのメリットです。Google アカウントさえあれば誰でも利用することができ、「ちょっと試してみよう」というスタンスで手軽に導入することができます。

タグマネジメントが便利になるサーバーサイドGTMとは?

GTMのサーバーサイド タグ機能、通称「サーバーサイドGTM」が導入されて、タグマネジメントはどう変わったのでしょうか。

従来のGTMでは、クライアント側のブラウザ上で測定タグの処理をしていたのに対して、サーバーサイドGTMでは、Webサイト運用者が管理している測定用サーバ上で測定タグの処理を行うことが可能です。
サーバーサイドGTMは、異なるデバイスをまたいでアプリケーションのデータを計測する新しい手法であり、「Google アナリティクス」や「ユニバーサル アナリティクス」「Google アナリティクス 4 プロパティ」などの計測タグを利用することができます。

サーバーサイドGTMのメリット

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続いては、サーバーサイドGTMがもたらすメリットについて解説します。

パフォーマンスの向上

サーバーサイドGTMを活用すると、Webサイトまたはアプリにタグを設定していても、その処理をクライアントサイド(端末側)のブラウザではなく、サーバーサイドで行うことができます。そのため、クライアントサイドで実行するコードが減少し、結果としてWebページの表示速度が向上することになります。

広告等の効果計測について(ITP対策)

サーバーサイドGTMは「ITP(Intelligent Tracking Prevention)」の影響を軽減することができます。ITPとは、Appleのブラウザ・Safariに搭載されている、プライバシー保護を目的としたトラッキング防止機能です。ITPは、訪問ユーザーの情報を一時的に保持するCookie(クッキー)の働きを制限したり、無効化や削除をしたりします。そのため、Safariを使っているユーザーとSafari以外のユーザーのCookieの有効期間が異なることになり、Google アナリティクスでの計測や広告のコンバージョン測定にも影響が出てしまいます。
しかし、サーバーサイドGTMを利用することで、ITPによるCookieの有効期限の制限が弱くなり、Google広告等でコンバージョンのトラッキングを行う際にも、ITPの影響を受けづらくなります。Safariユーザーに対する計測の有効期限を増加させることができるのは、サーバーサイドGTMのメリットです。

セキュリティの強化

サーバーサイドGTMを活用すると、従来はWebサイトまたはアプリで行っていた測定タグの処理を、Google Cloud経由でサーバーサイドへ移行することができるようになります。それによって、サーバーサイド環境でデータの収集&配布が可能となり、結果として訪問者データの保護が強化されることになります。

Webサイトを運営する上で、GTMのようなタグマネージャーや、新機能であるサーバーサイドGTMの導入がまだの場合、検討をする価値は十分にあるといえます。クライアントの利便性が高まり、よりセキュアになるため、導入を一考してみてはいかがでしょうか。

効率的かつセキュアなタグマネジメントは、代理店を使うのもひとつの方法

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Webサイト運営では、様々なタグを用いて広告配信や計測を行う必要があり、同時に多岐にわたるWebページの更新履歴の管理なども重要となります。WebサイトはいくつものWebページ群で構成されることから、それらを手動で行おうとすれば、その労力は膨大なものとなります。そうしたわずらわしいタグマネジメントやWebページの更新履歴の管理を一元化してくれるのがGTMです。

効率的なタグマネジメントは、戦略的なデジタルマーケティングを実現する上で極めて重要なものとなります。しかしながら、多岐にわたるタグの理解やWebページ解析、セキュリティの知識などが必要となることも事実です。
効率的なタグマネジメントの導入が難しい場合は、デジタルマーケティングのスペシャリストに相談することもひとつの方法といえます。当社は、今回ご紹介したようなサーバーサイドGTMなどの、高度なタグマネジメントを含むWebサイト運営や、デジタルマーケティングに対する知見や技術、実績も豊富です。


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著者(writer)
marketingX by goo 編集部

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