動画広告とは?種類やメリット、注意点を解説

インターネット広告

スマートフォンやタブレットが普及し、いつでもどこでも動画を視聴できるようになった現在、動画を活用した広告もマーケティング手法のひとつとなっています。動画広告にはどのような種類があり、どのようなメリットが期待できるのでしょうか。
ここでは動画広告について、その種類や出稿するメリット、YouTubeをはじめとしたおもな出稿先の特徴などを詳しく解説します。

動画広告について資料で詳しく確認したい方はこちらへ

動画広告とは?

what_is_video_ads_summary

まずは、動画広告の概要とおもな種類について見ていきましょう。

動画広告の概要

動画広告とは、YouTubeなどの動画コンテンツやWebサイト上に、画像やテキストではなく動画の広告を出稿することをいいます。
スマートフォンやタブレットの普及により、誰でも手軽に動画を見られるようになった現代において、動画広告の市場は大きな広がりを見せています。

動画広告の種類

動画広告にもいくつか種類があり、それらは大きく「インストリーム型」と「アウトストリーム型」の2つに分けられます。それぞれどのような特徴を持つのか確認しておきましょう。

インストリーム動画広告

インストリーム広告とは、動画を再生している途中や、動画の前後に挿入される動画広告のことを指します。YouTubeを見る際、再生開始時や再生途中にテレビCMのような広告を見たことのある方も多いのではないでしょうか。
インストリーム型の動画広告は、配信するタイミングによって以下のように名称が異なります。

  • プレロール広告:動画再生時に挿入されるタイプ
  • ミッドロール広告:動画の途中に挿入されるタイプ
  • ポストロール広告:動画終了後に挿入されるタイプ

動画を視聴するにあたり必ず流されるインストリーム広告は、より多くのユーザーへ広告を届けることが可能です。また、インストリーム広告は、動画を途中でスキップできるか否かによって、以下のような呼ばれ方をすることもあります。

  • スキッパブル広告…動画の再生開始後特定の時間が経過した後スキップできる動画広告
  • ノンスキッパブル広告…スキップできず最後まで再生される動画広告

上記の中でもノンスキッパブル広告は、動画を最後まで見てもらえる可能性が高くなるため、確実に届けたい内容がある場合に有効です。
また、YouTubeやTwitterなど、動画広告の出稿先によって視聴するユーザー層も変わってくるため、ターゲットを明確にした上で適切な配信先を選ぶ必要があります。

アウトストリーム動画広告

WebサイトやSNS、アプリなどの広告枠に配信される動画広告です。インストリーム型は動画の再生時や再生途中で配信されますが、アウトストリーム型の場合は動画の表示枠とは別の枠で配信されるという特徴があります。
インストリーム型は動画を視聴しているユーザーにしか見てもらえない一方、アウトストリーム型はサイトやアプリの広告枠に表示されるため、動画を視聴しているユーザー以外にも広告を届けることが可能です。
アウトストリーム型は、広告が表示される場所や形式によって以下のように名称が異なります。

  • インバナー広告:各プラットフォームのバナー広告枠に表示される
  • インリード広告:ユーザーがページをスクロールした際、コンテンツの間に表示される
  • インフィード広告:SNSやニュース記事など、フィード型のコンテンツの間に表示される

動画広告を出稿するおもな媒体

what_is_video_ads_media

動画広告の出稿先としては、YouTubeをはじめさまざまな媒体があります。
ここでは、「動画配信サービス」「SNS」「Webサイトやアプリなどの広告枠」の3つに分けて、各媒体の特徴を見ていきましょう。

YouTubeなどの動画配信サービス

動画広告と聞くと、まずはYouTubeをイメージする方も多いのではないでしょうか。日本国内だけでも6,500万人ものユーザー数を持つYouTubeは、的確にターゲティングを行った上で広告を配信することで、目当てのユーザー層へアプローチすることが可能です。
また、動画配信サービスは動画視聴が目的であることから、動画の最初や途中に動画広告が配信されても違和感を抱かれにくく、最後まで視聴してもらえる可能性が高い点もメリットといえるでしょう。

TwitterやInstagramなどの各種SNS

TwitterやInstagramといったSNSでも、動画広告を配信することが可能です。
TwitterやInstagramはスマホユーザーが多いため、スマホからの視聴を意識した動画広告を作る必要があるでしょう。

Twitter

拡散性の高いTwitterは日本でもユーザー数が多く、高い人気を集めるSNSです。リツイートでより多くのユーザーへの拡散を狙ったり、テレビを視聴しながらTwitterを利用するユーザーも多い点を活かしてテレビCMと連動させた動画広告を配信したりすることもできます。
また、フォロワーターゲティングという機能を用いれば、指定したアカウントのフォロワーや、その類似ユーザーに広告を配信することも可能です。

Instagram

写真や動画投稿をメインとしたInstagramでも、動画広告は有効的です。ユーザー層は20〜30代の女性が多いため、動画広告を出す際はファッションや美容、料理などのトレンド性の強い商材が特に推奨されています。

SNS広告については、以下の記事でもご紹介しているので、ぜひこちらも参考にしてみて下さい。

Webサイトやアプリなどの広告枠

Webサイトやアプリの広告枠に配信されるインバナー広告として、動画広告を出すという手法もあります。動画サイトに限らず、さまざまなWeb媒体に広告を配信できるため、普段動画を視聴しない層にもアプローチすることができるでしょう。

ただし、どれほど質の高い動画広告でも、配信先のメディアと宣伝する商材のジャンルが大きくかけ離れていたり、関連性がなかったりする場合はかえってマイナス効果となってしまうケースもあります。
そのため、ユーザビリティをきちんと考慮した上で動画広告を制作し、クリック率や視聴完了率の向上を狙うことが大切です。

動画広告を出稿するメリット

what_is_video_ads_merit

動画広告を配信すると、どのようなメリットが期待できるのでしょうか。

情報の拡散を狙える

近年は若者の「テレビ離れ」という背景もあり、テレビの広告収入よりもYouTubeなどの動画サービスでの広告収入の方が高くなるとも見込まれています。動画コンテンツへの需要の高まりから、より多くのユーザーに対してアプローチでき、情報の拡散も狙えるという利点があるのです。
また、動画配信サービスで流す広告には、興味を持ったらワンクリックで詳細を見たり、商品やサービスを購入したりできるという強みもあることから、認知向上やコンバージョンにつながりやすいというメリットもあります。

ターゲットに多くの情報を伝えられる

動画広告なら、画像やテキストだけの広告よりも多くの情報を伝えられるという強みもあります。5秒間という短い時間でも、動きや音声も付けられる動画広告なら、読むのに時間がかかるテキストよりも多くのことを伝えられるでしょう。

動画広告の効果の指標となる「完全視聴率」とは?

動画広告の効果を知るにあたって重要なのが「完全視聴率」です。完全視聴率とは、動画広告が表示された回数のうち、「30秒以上」または「最後まで」視聴された割合をいいます。
たとえ視聴回数が多くても、この完全視聴率が低いと、広告の成果はあまり見込めません。できるだけ最後まで動画広告を見てもらい、サイトへ遷移してもらったり、商材を購入してもらったりすることが重要です。
最後まで動画広告を見てもらうためには、最初の5秒間が肝心といわれています。動画の導入部分でできる限り視聴者をひきつけることで、完全視聴率をアップさせることにつながるということです。

動画広告を出稿する際の注意点

what_is_video_ads_point

ここでは最後に、動画広告を配信する際の注意点を見ていきましょう。

商品やサービスの魅力をきちんと伝えられる動画を制作する

冗長な内容は避け、動画広告を視聴したユーザーが「見てよかった」「得をした」と感じられるような、有益な情報やエンターテインメント性を動画広告に盛り込むことが大切です。最初の5秒間でしっかりと視聴者をひきつけた上で、的確に商材の魅力を伝えられる動画を作成する必要があるでしょう。

炎上しないよう、広告の内容に注意する

ユーザーのほとんどは、広告というもの自体を「邪魔なもの」「できるだけ見たくないもの」と認識しています。内容に少しでも不快な要素があると、炎上を招きかねません。ネガティブな印象を抱く要素が入っていないか、動画広告は念入りにチェックした上で配信することが重要です。

広告表現については、以下の記事でご紹介しているので、ぜひこちらも参考にしてみて下さい。

ターゲットを明確にし、出稿する媒体を決める

動画広告で効果を出すためには、ターゲットが多く利用する媒体は何かということを分析することが大切です。そのためには、ペルソナを深く堀り下げることが欠かせません。ターゲットを明確にした上で、各媒体の特徴も把握し、どの媒体で配信するかを決めましょう。

ペルソナについては、以下の記事でご紹介しているので、ぜひこちらも参考にしてみて下さい。

動画広告の作り方

video_ad_creation_how_to_make_video_ad

動画広告の制作プロセスを簡単にご紹介します。成功のカギは、短時間でいかに情報を効果的に伝えられるかです。

構成を考える

動画広告を制作する前にやらなくてはいけないことは、ズバリ構成案の作成です。
構成案を作ることは、いわゆる設計図を作ることです。

  • 動画広告を制作する上での目的の明確化
  • 具体的なターゲット(ペルソナ)の決定
  • 掲載する配信媒体からフォーマットの決定
  • 作成する動画秒数に対する全体の流れ

腕のいい職人がいたとしても、設計図がなくどのように作れば良いのかわからなければ、当然良い動画クリエイティブは作れません。
なので、構成案は必ず作成するようにしましょう。
構成を考える際には、後述にある「ペルソナの設定」を踏まえたものであればより効果的になりますので、ぜひ最後までお読みください。

構成を元に動画を制作する

構成を元に動画を制作しましょう。
動画を制作する方法はたくさんありますが、企業が作る際には大きく分けて2つの方法があります。

  • 動画広告をインハウス(社内)で制作する
  • 動画広告を外部に委託して制作する

ということになるかと思います。

動画広告をインハウス(社内)で制作する

インハウスで作る際には、撮影や編集を社内担当者が行います。その場合は撮影機材や編集機材を準備する必要がある上、それらを扱うためのリテラシーも必要になってくるので、専門知識を持った担当者がいた方がスムーズに行うことができるでしょう。

とはいえ、今は動画を簡単に制作できるツールも多数存在するので、予算に合わせてそのようなツールを使用することもできます。

動画広告を外部に委託して制作する

外部に委託して制作する方法は、手っ取り早いのは動画制作会社に依頼することです。
ステップ1で構成を考えるということを前述していましたが、制作会社に支払う費用の中に動画を制作する全ての工程が含まれていることがあります。
お互いの担当者同士が打ち合わせをして内容を決めることが多いので、安心して制作することができますが、費用はそれなりに必要となります。

外部委託の別の方法としては、フリーランスのカメラマン・動画制作者に制作してもらうやり方もあります。
フリーランスマッチングサイト(ランサーズ・クラウドワークスなど)から依頼し、条件のすり合わせや、内容の打ち合わせののち制作します。
メリットとしては動画制作会社よりも費用が抑えられること、細かい作業ごとの依頼や、作業を一人で行うことが多いので、比較的素早く柔軟な対応をしてもらえることが挙げられます。デメリットとしては、一人ひとりにスキルの差があることで、信頼できる制作者にすぐ出会えれば良いのですが、それが叶わない可能性もあることでしょう。

作った動画を配信する

上記のステップで動画広告を制作したら、いよいよそれを配信しましょう。
配信先は、すでに決まっていることが前提ですが、動画広告の配信媒体はたくさんあるので、より効果が見込める媒体を選定して配信を行う必要があります。
配信できる代表的なメディアとしては、以下が挙げられます。

  • Youtube
  • TikTok
  • Instagram
  • Facebook
  • LINE

プラットフォームごとに利用ユーザ層や広告の配信方法に特徴があります。
ターゲットに合った媒体に配信するようにしましょう。

効果的な動画広告を制作するためのポイント5選

video_ad_creation_point

ポイント1 目的を明確にする

動画広告の目的は、「認知拡大」「ブランディング」「販売促進」の3つがあります。その中で企業が動画広告を使って施策を行う際、まず初めに必要となるのが、動画広告を出すことの目的を決め、それに即した広告施策を打つということです。
動画広告は、他の広告と比べ制作コストが高くなりがちな広告です。
しっかりと目的を定め、時間や費用が無駄にならないように気を付けましょう。

ポイント2 ペルソナを設定する

ポイント1で前述した、広告を出す目的をより具体的にするものが「ペルソナ設定」です。ペルソナとは、商品やサービスを使用するユーザー層を表し、広告を出す上でターゲットをより具体的にすることができるものです。
これを最初に決めておくことで、目的の軸がぶれることなく制作することができます。
ペルソナ設定の一例として下記をご参照ください。
例)
名前 田中 武 
年齢 30代 
性別 男
職業 メーカー営業(営業ノルマ・インセンティブあり)
勤務先 50~100人規模・飲食店向け機器メーカー企業
役職 営業部係長
学歴 ○○大学 商学部卒
家族構成 既婚、子なし
休日の過ごし方 最近役職についたので業務についての勉強、妻と外出
業務上の課題 営業ノルマの達成と部下の育成

ペルソナ設定をすることで、社内間での認識のずれがなくなり、外部に依頼する際の打ち合わせでもペルソナがない状態よりスムーズに進むことが多くなります。

ポイント3 ターゲットに合った配信媒体を決める

いくら良い動画広告を制作したとしても、それを見たユーザーが興味を持ってくれなければ意味がありません。
「10代の女子学生」と「30代のサラリーマン」では、普段の生活での考え方は変わってきますよね?
配信する媒体ごとにユーザー層が違ったり、配信できる広告の種類が変わってきますので、よりターゲットに合った配信媒体を選びましょう。

ポイント4 最初の数秒で興味を引く

動画広告で一つデメリットがあるとしたら、それは内容を見てもらえなければ伝えたいメッセージがユーザーまで届かないことです。
Youtubeなどで自分が見ている動画に差し込まれる広告をすぐにスキップした経験はないでしょうか?
動画広告は最後まで見てもらえないことが多いのも事実です。
ですので、最初の数秒でユーザーの興味関心を引き、広告で伝えたいメッセージを見てもらえる可能性を上げましょう。

ポイント5 配信した広告の結果をもとにPDCAサイクルを回す

動画制作・配信を実際に行った後は広告にどのような効果があったかを分析し、より効果的なものにするためにPDCAサイクルを回しましょう。
PDCAとはPlan(計画)、Do(実行)、Check(測定・評価)、Action(対策・改善)の頭文字をとったもので、PDCAサイクルはそれらを行い改良や改善を行う際に用いるフレームワークの一つです。
動画広告においては「ブランディング」・「認知」・「コンバージョン」が目的になってくるので、制作した動画広告がきちんとその役割を果たしているか結果を確認し、改善していくことで、さらにより良い効果が得られるでしょう。

動画広告は媒体ごとの特性を活かして運用しましょう

動画コンテンツの需要は今後も高く、動画広告市場も成長し続けると見込まれています。企業も動画広告を上手に活用することで、企業やブランドの認知拡大や、売上向上が期待できるでしょう。
動画広告は配信先となる媒体によって特徴やユーザー層が異なり、有効な商材や運用方法も変わってきます。ターゲットを明確にした上で適切な媒体を選び、魅力的な動画広告を作っていきましょう。

コンテンツマッチ広告やディスプレイ広告については、こちらの記事でご紹介していますので、是非参考にしてみて下さい。

また、獲得につながる動画広告の考え方をまとめた資料を公開しています。是非こちらもダウンロードしてご活用ください。

著者(writer)
marketingX by goo 編集部

インターネット広告について、幅広いお役立ち情報をお届けします。
弊社では、効果的な集客を狙える多彩な広告メニューを提供しています。
広告運用において、お悩み、ご相談がございましたら、問い合わせフォームよりお気軽にご連絡ください。
導入事例はこちら

関連記事一覧