レスポンシブ検索広告とは?特徴や入稿方法、活用ポイントなどを解説

インターネット広告

レスポンシブ検索広告(RSA)」はリスティング広告の一種で、あらかじめ登録したアセット(見出し・説明文)の中から、検索の度に最適な組み合わせが自動で選択され、検索結果に表示される広告メニューです。

Googleの発表によると毎日入力される検索語句の15%は、これまでに見たことのない、まったく新しいものであると言われています。数あるコピーの中から効果的な組み合わせパターンを見つけ出すこと、検索ユーザー1人ひとりに広告をカスタマイズさせること、これらを人の手で行うには数に限界があります。

2022年、GoogleとYahoo!は「拡張テキスト広告」の新規作成や編集を廃止し、レスポンシブ検索広告のみ入稿するようにリスティング広告を仕様を変更しました。日々変化する消費トレンドや多様な検索行動に対応するためには、広告の自動化が鍵になります。

この記事では、レスポンシブ検索広告にはどのようなメリットや注意点があるのか解説します。

レスポンシブ検索広告の特徴・メリット

レスポンシブ検索広告の仕組み
レスポンシブ検索広告の仕組み

レスポンシブ検索広告は、運用の柔軟性と人力による効果検証の手間を省いた点が大きな特徴です。

従来の拡張テキスト広告では、見出しと説明文の組み合わせを決めた広告文を入稿し、手動でテストを繰り返していました。一方、レスポンシブ検索広告は機械学習によって見出しと説明文の最適な組み合わせを選び出し、自動でテストを繰り返して最適化を行います。
レスポンシブ検索広告を利用することで得られるメリットは、主に以下の3つです。

  1. 検索語句と関連性の高い組み合わせが表示される
  2. オークションの機会が増える
  3. デバイスのサイズに合わせたテキスト量で配信される

検索語句と関連性の高い組み合わせが表示される

ユーザーのニーズに合わせた広告配信を自動で行えます。多くの見出し・広告文を登録すれば、その中から検索語句と関連性が高まるような広告文を自動で作成することができます。また、効果的な組み合わせを機械学習によって導き出します。1つの広告で様々な検索語句に対応することが可能になります。

オークションの機会が増える

様々な検索語句と広告文の関連性が高まる為、これまでのテキスト広告ではマッチングできなかったキーワードでもオークションの機会が与えられ、表示回数の増加に繋がります。また、検索語句との一致率が高まることで広告の品質・ランクが上がり、クリックやCVの向上も見込めます。

デバイスのサイズに合わせたテキスト量で配信される

レスポンシブ検索広告は、PC・タブレット・スマホなど、デバイスごとに広告文を用意する必要がありません。検索ユーザーのデバイス幅に応じて広告文を表示させることが可能です。テキストを最適な長さで掲載面に収めることができるため、ユーザーの視認性も高く、クリック率向上が見込めます。

レスポンシブ検索広告の設定方法

レスポンシブ広告はGoogle広告管理画面の「広告とアセット」から登録できます。検索広告のキャンペーン・広告グループを作成した後、「広告とアセット」から「広告」を選択し、画面の「+」から「レスポンシブ検索広告」を選択してください。

レスポンシブ検索広告の作成方法

デフォルトの設定では、アセット(見出しと説明文)の順序はバラバラで表示されます。それぞれのアセットが単体でも、アセットと組み合わさっても意味を成すような言葉を登録しなければなりません。

最終ページ URL広告をクリックして表示されるランディングページのURLを設定
表示 URL のパス最終ページ URLの後ろに表示されるテキスト。
最大2つまで登録可能です
1つは全角7文字(半角15文字)まで
見出し最小3個〜最大15個の見出しを追加可能。
検索ユーザーのデバイスに合わせて最大3つまで検索結果に表示されます。

1つの見出しに全角15文字(半角30文字)までのテキストを登録できます。
テキストは順不同で表示されますが、必ず表示させたい文言は位置を固定させることも可能です。
説明文広告文の下に表示される、長めのテキスト。
最大4個まで追加可能で、検索ユーザーのデバイスに合わせて最大2つまで検索結果に表示されます。

1つの説明文に全角45文字(半角90文字)まで登録できます。
見出しと同じく順不同で表示されますが、固定させることも可能です。
サイトリンク・
その他のアセットタイプ
見出し・説明文以外で広告にテキストやリンク先を追加できるオプションです。
広告表示オプションとも。

 

必ず表示させたい見出し・説明文は固定機能を使う

商品やブランドの名称など、どの広告でも必ず表示させたい、決まった順番で表示させたいテキストは、固定機能を用います。見出しは位置1~3、説明文は位置1~2の位置に固定できます。ただし、固定させる文言が増えると検索ユーザーに合わせて最適化できる部分が減ってしまい、広告の有効性にも影響が生じるため、注意が必要です。

見出しの固定方法

キーワード挿入機能について

キーワード挿入機能を使うと、広告グループの中から広告表示に繋がったキーワードを自動で広告文に取り入れることができます。検索語句と広告文の関連性が高まり、高いクリック率を見込めるのが特徴です。

挿入機能は、下記の挿入コードを追加することで利用できます。どのキーワードが挿入されても違和感の無い広告文を用意しましょう。

{KeyWord:〇〇(デフォルトで表示するキーワード)}

レスポンシブ検索広告の評価方法

レスポンシブ検索広告は各広告の「アセットの詳細を表示」から見られる「アセットレポート」で確認できます。
掲載期間と表示回数が一定の基準(過去30日で2,000回以上)になれば「パフォーマンス」の列で各アセットの評価を確認することができます。
パフォーマンスは「最良」「良」「低」の3段階で評価されますが、まだ機械学習が完了していないアセットは「学習中」「保留」と表示されます。

アセットの評価方法

CTRやコンバージョンは表示されない為、細かい分析ができないことがレスポンシブ検索広告の難点です。
広告のパフォーマンスが良いかどうかは広告文単体ではなく、広告グループ全体で評価することをお勧めします。

レスポンシブ検索広告を活用するコツ

レスポンシブ検索広告は、機械学習の効果を最大限高めるような設定にすることが最良のコツです。機械学習の結果を最適化させるために求められるのは主に以下の3つです。

  • 十分なデータ量
  • バリエーションのある学習素材
  • 学習期間

1つの広告グループに広告は1つ

Google公式ヘルプでは、1つの広告グループにつき広告は1本までを推奨しています(最大3本まで入稿可能)。1つの広告から複数の広告文を自動で作成するのがレスポンシブ検索広告の特徴です。広告を複数作成すると、AIの学習機会が分散し、十分なデータ量が蓄積されません。別の広告文を配信したい場合は、別の広告グループを作成します。

似たような表現を避けてバリエーションを持たせる

一つの広告でターゲットの様々なニーズに応えられるよう、広告見出しは8個以上、説明文は4個、様々な切り口のメッセージを登録します。類似したフレーズをが多いと、機械学習の効果が発揮されず、運用パフォーマンスが落ちてしまいますので、注意が必要です。文字数も短い・長いとバリエーションを持たせることで、多様なサイズのデバイスに対応できます。3つ以上の見出しには検索キーワードを含めましょう。

また、見出しや説明文で、割引や特典、配送・返品など、ユーザーにとってメリットとなる情報を強調します。
登録したテキストが効果を発揮できるかどうかは「広告の有効性」でチェックする事ができます。「低い」と表示されている場合は、アドバイスに従って修正することをお勧めします。

広告の有効性

学習期間を考慮した運用スケジュールにする

見出しと説明文の表示を最適化させるためには、約2週間~約30日程度の学習期間が必要と言われています。配信を始めたばかりは思うような効果が得られないこともありますが、短期間で配信を止めず、様子を見ましょう。

まとめ

ここまで、レスポンシブ検索広告の特徴やメリット、運用する際の注意点について解説しました。
AIによって複数パターンの広告を作成し、テストを自動化できる点はレスポンシブ広告の大きなメリットである一方、レスポンシブ検索広告の特徴や仕組みを把握しないと、機械学習が十分に働かず、思うような効果が挙げられない場合もあります。

限られた予算内でそれぞれの特性を活かした広告出稿をし、最大限の効果をあげたいなら広告運用コンサルティングを依頼するのも手段の1つです。


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筆者紹介 muro

marketingX立ち上げ当初から関わり、運用型広告を中心に幅広い情報を発信しています。
Webマーケティング初心者でも分かりやすい・読みやすい記事の制作を心がけています。

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