Googleディスプレイ広告(GDN)の平均クリック率はどのくらい?

インターネット広告

クリック率(CTR)は、ディスプレイ広告の代表的な指標の1つです。クリックが増えればコンバージョンに繋がる可能性が高まります。それでは、いったいどれぐらいのCTRを目指せば良いのでしょうか?この記事では、ディスプレイ広告のCTRの概念、平均CTR、影響を与える要因、改善するための事例などを紹介します。

ディスプレイ広告の平均クリック率

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ディスプレイ広告の平均クリック率 (CTR=Click Through Late) は、業界、広告フォーマット、ターゲティングなどの状況によって大きく異なりますが、Google のベンチマークレポートによると、すべての業界のディスプレイ広告の平均CTRは約 0.46% と言われています。

ベンチマーク レポートでは、データを公開している同業他社から集めた業界データと自社のデータを比較できます。 業界の現状を示す有用なデータが示されるため、的確な目標の設定、トレンドの分析情報の入手、業界における自社の立ち位置の把握が可能になります。

引用:Google公式

これは単なる平均であり、実際には様々な要因が広告のCTRに影響します。たとえば、ターゲットを絞ったユーザー、かつ適確なメッセージの広告は、幅広いユーザーへ凡庸な内容の広告を充てるよりもCTRが高くなります。また、広告フォーマット(バナー、ポップアップ、動画広告など)によってもCTRは変わります。

独自の広告の適正値を目指し、一般的な平均値は一つの参考程度としましょう。

クリック率の基本・リスティング広告の平均クリック率についてはこちらの記事も参考になります。

ディスプレイ広告の平均クリック率が低い理由

検索広告など他の広告と比べると、ディスプレイ広告の平均クリック率は低めです。下記ではその理由をあげます。

●あまり見られていない
多くのインターネットユーザーがディスプレイ広告を自然と無視し、気付かない状態にあります。特に、ページの周辺に配置されることが多く、容易に無視される傾向が強くなります。

●メッセージのスペースが限られている
詳細な情報を載せるスペースが広い検索広告と比較すると、ディスプレイ広告のスペースは画像サイズのみと限られています。そのため、広告の重要なメッセージや価値を伝える工夫が必要です。

意図しないユーザーが含まれやすい
積極的に情報を探しているユーザー(顕在層)に表示される検索広告とは異なり、ディスプレイ広告は製品やサービスを積極的に検索していないユーザー(潜在層)に表示するのが一般的です。認知目的で広範囲のユーザーに配信することが多いことから、無関係なユーザーもその分含まれることになり、無視されやすい点からクリック率が低くなります。

競合他社と広告が同載される
ディスプレイ広告は他の広告と一緒に表示されることが多く、注目とクリックが分散されることが多いため、視聴者の注意を引いて目立つことが難しいとされています。

ディスプレイ広告のクリック率の改善方法

上記の理由から、ディスプレイ広告は検索広告よりも平均CTRが低くなります。逆を言えば、適切なターゲティング、適切なメッセージ、興味を引くデザインがあれば、ディスプレイ広告のCTRを高めることができます。
クリック率を上げる方法について、下記の4つの視点で具体的に説明します。

  • ターゲットの策定・精査
  • 広告(クリエイティブ)の工夫
  • ランディング ページの最適化
  • データとテストの活用

ターゲットの策定・精査

下記ではオーディエンス(広告の受け取り手)を理解してターゲティングを作成する際のポイントをあげていきます。

デモグラフィック

年齢、性別、収入、教育レベルなどの人口統計情報、もしくは地域情報は、ターゲット ユーザーに関する貴重な情報です。これらの要因を理解できれば、より適確にターゲットを絞ることができ、関連性の高い広告を配信することが可能です。

デバイス

自社の商品・サービスがどのデバイスで見られることが多いのか分析しましょう。例えば、法人向け商材であればパソコン、ECであればスマートフォン、などの特徴です。

興味感心

顧客の興味を理解することで、より関連性の高いユーザーを見つけることができます。Web サイト分析、SNS、およびその他の情報から顧客の関心を特定し、好みそうなデザインを模索しましょう。

行動と意図

ユーザーの行動と意図を理解することは、コンバージョンを促進するために必然といえます。たとえば、ユーザーがすでに製品やサービスに関心を持っている場合、特定の特典やプロモーションに焦点を当てた広告を配信して、購入への誘導を促すことも効果的です。

キーワードターゲティング

適切なキーワードを設定することで、ターゲットユーザーにリーチできるようにします。これにより、商品やサービスに関連する検索結果やウェブサイトに広告が表示されるようになります。

フリークエンシー キャップ

同じユーザーに頻繁に広告が表示されないよう、表示回数を制限しましょう。キャンペーンのパフォーマンス維持の他、広告主への不信感や、ブランド・商品イメージが悪くならないようにするためでもあります。

広告(クリエイティブ)の工夫

広告についてのポイントは以下の内容です。

注目を集めるビジュアル

広告デザインには、ターゲット ユーザーの注意を引く高品質のビジュアルが求められます。人目を引く画像、または動画を使用すれば、即座に影響を与えることも可能です。

分かりやすいデザイン

シンプルで分かりやすいレイアウトを使用して、ユーザーが広告のメッセージを一目で分かるよう心がけましょう。また、メリハリのある色を使用して、広告が周囲のコンテンツから際立つとユーザーの注意を引きやすくなります。

興味感心

Web サイト分析、SNS、およびその他の情報から顧客の関心を特定し、好みそうなデザインを模索しましょう。

モバイル最適化

多くのユーザーがスマートフォンからインターネットにアクセスしているため、スマートフォン画面向けに広告のレイアウトを考えることが大切です。鮮明で読みやすいフォントを使用し、小さな画面でも簡単に誘導できるようにします。

明確な行動喚起(CTA)を使用する

ユーザーに行動を促す明確なCTAを含めましょう。アクションを促す言葉を使用し、ユーザーが次に何をすべきかを一目瞭然にします。

広告の掲載位置

掲載位置は、広告のビューアビリティに大きな影響を与えます。Webサイトにアクセスしやすい場所に広告が配置されるよう調整する必要があります。

ランディング ページの最適化

ランディングページは、最終的なコンバージョンの獲得を左右する大事な場面です。
せっかく広告でユーザーを誘導しても、サービスサイトで納得させることができなければユーザーの「離脱」を招き、獲得に繋がりません。ランディングページが下記の要素を満たしているか、今一度確認しましょう。

関連性のあるコンテンツ

ランディングページのコンテンツが、広告の内容とターゲットユーザーのニーズに関連しているか確認しましょう。また、ユーザーが探している情報を見つけやすい、整理された造りであることが重要です。情報やオプションが多すぎると訪問者に抵抗を与えたり、意識が分散して肝心なコンバージョンへ繋がり辛くなるため注意しましょう。

明確な行動喚起(CTA)を使用する

購入、フォームへの入力、ニュースレターの購読など、訪問者が目的の行動(コンバージョン)を取りやすいよう誘導できる構成にしましょう。

読み込み時間の短縮

読み込み時間が遅いと直帰率が高まり、コンバージョンが減少する可能性があるため、すばやく読み込まれるようにします。

データとテストの活用

広告の成果や課題を洗い出し、分析を続けましょう。基本的な指標と、影響を与えるその他の要因を確認し、効果改善の余地があるのかどうか検討します。

データ分析

ディスプレイ広告を分析する際に考慮すべき基本的な指標を次に示します。

  • インプレッション数:インプレッション数が少ない場合、そもそも広告が十分に配信できていない可能性があります。広告が配信されなければクリック以降のアクションが起きません。
  • クリック数・クリック率:クリック数やクリック率の低さは、広告に興味を持ってくれているユーザーが少ないことを意味します。また、インプレッション課金の場合は、クリック率の低さは費用対効果の悪化につながるため注意しましょう。
  • コンバージョン数・コンバージョン率:コンバージョンは、最終的に目標とするユーザーのアクションです。どれだけインプレッション数やクリック数が多かったとしても、コンバージョンにつながらなければ本来の目的は達成できていません。
  • 他にも:獲得単価(CPA)、エンゲージメント、デモグラフィック、広告クリエイティブ、それぞれの結果を分析することで、改善点を特定できます。

A/B テスト

A/B テストは、さまざまなバージョンの広告をテスト・比較して、どちらのパフォーマンスが優れているかを確認します。 A/B テストに関する手順は次のとおりです。

  1. テストの目標を特定する:クリック率、コンバージョン、または収益の増加など、A/B テストの目標を決めます。
  2. 広告を2パターン作成する:テストする広告を2パターン作成します。それぞれ、広告コピー、ビジュアル、CTA、ランディングページなど、差別化できる要素で構成します。
  3. グループ分け:ターゲットを大まかに2つのグループに分け、各グループに設定します。
  4. テストを実行する:テストを所定の予算、期間で実施します。
  5. 結果の測定と比較:当初の目標に基づいて両方の広告のパフォーマンス結果を比較して、掲載結果の違いを判断します。
  6. 最適化と反復:広告のパフォーマンスが優れているグループを残し、さらに別の条件グループを追加します。ベストな結果が得られるまで繰り返します。
  7. 変更を実装する:最も良い効果の条件を特定したら、キャンペーン全体に変更を実装して、最適化を実施していきます。

SNSごと、業種ごとのCTR目安

始めにお伝えした通り、Google のベンチマークデータによると、すべての業界におけるレスポンシブディスプレイ広告の平均CTRは0.46% ですが、一般的な平均CTRを媒体、業種ごとにご紹介します。繰り返しとなりますが、これらの平均値は、業界や広告フォーマットによって大きく異なります。

SNS別の平均CTR

ディスプレイ広告のSNS別の平均CTRは以下とされています。

  • Facebook:1.11%
  • Instagram:0.22%
  • Twitter:0.86%
  • Tiktok:0.58%

出典:smartinsights
出典:Lebesgue

業種別の平均CTR

ディスプレイ広告の業種別の平均CTRは以下とされています。

  • テクノロジー: 0.39%
  • 健康と医療: 0.59%
  • 旅行・娯楽:0.47%
  • 小売・通販: 0.51%
  • 金融・保険: 0.52%

出典:wordstream.com

まとめ

CTRは、広告フォーマット、ターゲティング、広告の配置、業界などのさまざまな要因によって異なることに注意してください。また、CTRは広告のパフォーマンスを測定するための有用な指標ですが、キャンペーンの効果をより完全に把握するには、コンバージョン、クリック単価、など他の指標と組み合わせて考えていきましょう。


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著者(writer)
marketingX by goo 編集部

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