広告運用にAIを活用するメリットと実現できること

インターネット広告

AIと広告運用。この両者は非常に近しい関係にあります。その理由は膨大なデータを処理するときにAIの能力が必ず必要だからです。しかも、最近はAIの能力が飛躍的に向上し、広告運用で活躍の場が広がっています。

もはや、単なるデータ解析のツールではなく、広告のクリエイティブそのものを生み出す力を持っているのです。

今回は広告運用にAIを取り入れ、効果的な広告運用を行いたい人にとって参考になるよう、メリットや具体例、注意点などについて解説します。

AIを活用した広告運用でできること

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AIを活用した広告運用には、機械学習による最適化が不可欠です。Google広告もYahoo広告も、自動入札や機械学習によるターゲティング機能を強化しているため、運用者による調整範囲が少なくなっています。

たとえば、自動入札機能では、入札価格が自動入札されるため、広告のクリック率やコンバージョン率を最適化できます。そのため、運用者は広告の調整を行う必要がなく、より効率的に広告運用できるようになりました。

あるいは、Google広告では、Webサイトを訪れたユーザーの行動履歴や属性情報をもとに関連性の高い広告を自動で配信することができます。それにより、運用者が主導で広告配信の設定をする必要がなくなり、より正確で効果的な広告配信が可能となります。

このほかにほかにも、AIができる広告運用としては、画像や文章といったクリエイティブの作成、大量のデータの分析、ターゲットの設定、データにもとづく広告費の最適化などがあります。

広告運用にAIを活用するメリット

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広告運用にAIを活用することに、どのようなメリットがあるのでしょうか。5つのメリットを解説します。

データに基づいた広告運用ができる

1つ目のメリットはデータに基づいた広告運用ができることです。AIが得意とすることの一つは大量のデータの処理・分析です。過去に蓄積された大量のデータを生かし、エンゲージメント(効果)を測定できます。

これまで、担当者の経験や感覚に頼っていた効果測定をAIにゆだねることができるため、担当者によるばらつきをなくし、定量的に効果を把握できます。その結果、個人のスキルや経験に頼らない広告運用が可能となるのです。

クリエイティブの自動生成による効率化

2つ目のメリットはクリエイティブをAIが自動生成してくれることです。すでに、画像などのデータをAIにあたえることで、短時間に大量のクリエイティブを生み出すAIが実用化されています。

こうしたAIを利用することで、バナー広告作成スキルやリソースが不足している企業でも、一定水準のクオリティをもつクリエイティブを生成できます。それにより、広告作成に関する費用削減や時間短縮を達成できます。

属人的作業が多い運用業務の効率化

3つ目のメリットは属人的作業を効率化できることです。広告運用には属人的作業が多いとされてきました。ノウハウを獲得することに時間がかかり、データの解析には専門的な知識が必要だったからです。

また、クリエイティブを大量に作成することや常に最新の動向を把握することなどに膨大な時間が必要であるため、他の人に引き継ぐことやサポートを受けにくい性質がありました。AIはこうした作業が得意です。データの解析やクリエイティブの大量生成、情報収集の面でAIの活躍の場は多く、従来属人的とされた作業の多くを効率化できると期待されています。

広告効果を高められる

4つ目のメリットは効果を高められることです。2020年代に入り、広告を自動作成するAIの能力は飛躍的な進歩を遂げました。広告で用いるクリエイティブを大量生成することはもちろんのこと、生成したクリエイティブの中で何が効率的なのかを測定することや、既存の広告よりも効果のあるクリエイティブを選定する能力も身につけています。

また、膨大なデータを分析できるため、どのような層をターゲットにするかといった設定も得意です。これらのことにより、AIは広告効果を高めることができます。

入札単価やコストの最適化

5つ目のメリットは入札単価やコストの最適化ができることです。Web広告を出稿する際、以前は、手動で入札価格を設定していました。しかし、AIを取り入れたスマート自動入札を取り入れることでWeb広告出稿時の入札価格を自動で調整する自動入札が実現しました。

自動入札は運用の手間を減らし、広告費の無駄をなくすことで入札単価やコストを最適化できると期待されています。

AIを採用した広告運用サービス例

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AIを採用した広告運用サービスは急速に広がっています。具体的には以下のような例があります。

  • 株式会社オプトの「Literalporter(リテラルポーター)」
  • 電通グループの「CXAI」
  • サイバーエージェントの「極予測AI」

オプトの「リテラルポーター」は、AIが大量の媒体データや広告実績を自動的に分析、広告運用の方法を自動化するものです。数千通りの自動考察がなされ、最適な提案活動をできるようになりました。

電通グループの「CXAI」はクリエイティブを自動生成するAIツールです。バナー生成やバナーの反応予測ができ、広告作成や運用の自動化を進められます。

サイバーエージェントの「極予測AI」は、クリエイティブの大量生成やクリエイティブ間の比較にとどまらず、既存の広告との比較や効果測定を行うことができるAIツールです。静止画・動画共に対応し、両者を横断した広告効果の予測もできます。

Web広告運用でAIを活用する際の注意点

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これまで、AIが広告運用においていかに効果的に働くかという点について解説してきました。しかしながら、どのような仕組みであっても注意点があります。

もっとも注意しなければならないのは著作権や情報の正確性です。まず、AIが生成したクリエイティブには著作権が認められない可能性があります。法解釈に微妙な点があるため、広告主によってはAIが生成した広告を忌避する動きも見られます。

また、機械学習に著作物を利用すると著作権法違反になる可能性があります。著作権者の利益を不当に害する場合は、著作権者から訴えられる可能性もあります。機械学習については、どこからデータを持ってきたのか、どのような過程を経て作り出されたのかという点において、ブラックボックス化しているところもあります。

場合によっては、商用利用が難しいケースもあるかもしれません。AIが生成したクリエイティブを使用する際には学習ソースがどこにあるのか調べて、利用できることを確認するべきでしょう。

データ品質の確保も重要です。正確で信頼性が高いデータを集め、適切に整理・管理して広告を生成する必要があります。そのためには、利用しようとするAIがどのようにデータを集めているか、正確なデータを集める機能があるのか、十分注意しなければなりません。

広告配信の様子をモニタリングする必要もあります。広告を配信したら、効果測定を行い、必要に応じて改善する必要があります。つまり、AIに任せきりにするのではなく、データの正確性や配信状況について、運用者が目を光らせ、必要に応じて調整しなければならないのです。

AIを活用した広告運用の情報をキャッチアップして今後に活かそう

今回はAIを活用した広告運用についてまとめました。以前はAIの役割は限定的だという考えが強かったかもしれません。しかし、昨今のAI技術の進歩には驚くべきものがあります。AIを活用できなければ、活用できる企業との差が広がり、機械を損失するかもしれません。

激変する情勢を注視しながら、必要な情報をキャッチアップし、今後に生かすことが重要です。

著者(writer)
marketingX by goo 編集部

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