ビッグデータ時代の重要ツールGoogle BigQueryの特徴やメリットを解説

データソリューション

近年のデジタルマーケティングでは、ユーザー情報のほか、Webやアプリのアクセス履歴、広告との接触履歴、リサーチ結果分析など、データの多様化・複雑化が進行しています。そうしたデータを活用する上で、ビッグデータ分析は重要なものといえるでしょう。

ここでは、そんなビッグデータ分析を効率良く行うためのサービスとして注目されている「Google BigQuery」に焦点をあて、デジタルマーケティングにおけるビッグデータの重要性や活用事例などについて解説します。

ビッグデータの重要性とは?

what_is_google_bigquery_importance

スマートデバイスの普及に伴い、SNSやブログ、動画をはじめとした、様々なサービスが世の中に登場したことで、それらに紐づくデジタル広告の重要性は高まっています。その効果を最大化する手法として、デジタルマーケティングは大きく注目されることになりました。

そんな、デジタルマーケティングを効果的に行う上で必要となるのがビッグデータ分析です。ここでは、デジタルマーケティングにおけるビッグデータの必要性について、詳しく見ていきましょう。

デジタルマーケティングのカギを握るビッグデータ

ビッグデータとは、電子メールや動画視聴、Web閲覧、SNS、アプリといったサービスから、センサーやスマートメーターのほか、電波によって非接触でデータの読み書きをするRFIDといったIoT機器から得られる膨大なデータのことを指します。
デジタルマーケティングは、このビッグデータを様々な手法で分析することにより、販売予測や在庫管理、ユーザーへのレコメンドといった活用を可能にします。ビッグデータは、今やデジタルマーケティングのカギを握る存在といえるのです。

データウェアハウス(DWH)の重要性が高まっている

ビッグデータを活用する上で大切な役割を果たすのが「データウェアハウス(DWH)」です。
DWHは、収集したビッグデータを貯める「保管庫」を意味する言葉であり、ここで保管されたデータに対し、AI(Artificial Intelligence:人工知能)やBIツール(Business Intelligence:経営などでの意思決定ツール)などを用いた分析を行うことで、マーケティングや企業における経営改革、新規ビジネス創出などに役立っています。

ビッグデータを活用するには、ビッグデータの保管庫であるDWHと、保管されたビッグデータを加工するAIや、BIツールなどを組み合わせる必要があり、その組み合わせによって初めてビッグデータの恩恵を受けることが可能となるのです。
そして、そんなビッグデータの活用で高い実績を持つ存在に、Google BigQueryがあります。

Google BigQueryが可能にすること

what_is_google_bigquery_can_do

Google BigQueryは、Googleが提供するクラウドサービス「Google Cloud Platform(GCP)」の中に含まれるサービスのひとつで、クラウド上のDWHともいえるサービスです。
Google BigQueryを活用すると、どのようなことが可能になるのでしょうか。ここでは、Google BigQueryが持つ主なメリットを紹介していきます。

膨大な量のログ分析

Google BigQueryは、膨大な量のログを効率良く分析することができます。例えば、大手SNSなどのソーシャルメディアやECサイトなど、数千万から数億人のユーザーが利用するサービスでは、日々、膨大な量と種類のデータが蓄積されていきます。Google BigQueryは、こうした膨大な量のデータを高速で分析することが可能です。

事業戦略立案や修正、業務効率化

Google BigQueryは、事業戦略の立案や修正にも役立ちます。膨大な量のログ分析を活用すれば、ユーザーの動向把握や、自社で提供するサービスの見直し、販売予測など、戦略性のある事業やサービス推進に役立てることができるでしょう。また、集計も超高速な処理で行えるため、データ分析業務の効率化にもつながります。

リアルタイム分析

Google BigQueryは、膨大な量のビッグデータを高速で分析できる点に特徴があります。クラウド上の高性能サーバーで膨大な量のクエリ(処理要求)を短時間で処理できるため、リアルタイムでユーザーのアクセス内容を分析しながら、最適な広告表示などを行えます。

また、例えば物流業では様々なセンサーを搭載したトラックから得られるデータをリアルタイム分析し、最適な配送ルートの割り出しや配車管理に役立てることが可能です。

Google BigQueryの活用事例

what_is_google_bigquery_case_study

実際のデジタルマーケティング分野において、Google BigQueryは具体的にどのように活用されているでしょうか。ここでは、Googleが公開しているGoogle BigQueryの活用事例を3つご紹介します。

データ分析基盤をGoogle BigQueryで構築(株式会社MonotaRO)

工具のオンライン通販サイト「モノタロウ」は、「データ ドリブンカンパニー」を掲げ、早い時期からデータ分析を活用したデジタルマーケティングを実施してきた企業です。データ分析に基づいた意思決定を重視し、2008年よりそれを支えるデータ分析基盤を構築の上、様々な局面で活用を行ってきたそうです。しかし、サーバーやソフトウェアなど、すべてを自前で運用するオンプレミス環境であったため、会社の急激な成長に対してデータ分析が追いつかなくなるという課題が顕在化していました。

それを解決するため導入したのが、Google BigQueryです。結果として、社内のあらゆるデータをGoogle BigQueryに集約することができたことに加え、これまで丸一日かかっていたようなデータ分析を数十分で完了させられるようになり、扱えるデータ量や分析レポート数が10倍になるなど、データ分析基盤の強化に成功しています。

膨大な自社データをGoogle BigQueryで処理(株式会社LIXIL)

建築材料や住宅設備機器の大手メーカーであるLIXILでは、これまでメインフレーム(大型コンピューター)を用いた大規模な自社データセンターを有しており、社内システム運用を行っていました。しかし、将来的なビジネスの変化を見据え、自社データ環境のクラウド化を決断。そこで選ばれたのが、Google BigQueryを含むGoogle Cloud Platformです。

LIXILによると、強力な計算能力やスケーラビリティ(拡張性)に富んでいる点も、Google BigQueryのメリットだったようです。自社データ環境のクラウド化により、同社が運用する様々なシステムから生み出されるデータは、Google BigQueryに集約することが可能に。そして、社員一人ひとりがデータを能動的に活用していく、データ活用のセルフサービス化を実現することができたそうです。

国内トップの配車アプリを支える基盤としてGoogle BigQueryを活用(JapanTaxi株式会社)

ダウンロード数において国内最大級を誇るタクシーアプリ「JapanTaxi」も、データ分析基盤にGoogle BigQueryを採用しました。サービスを通じて得られたビッグデータをGoogle BigQueryに集約した上でデータ分析を行い、顧客満足度向上や業務の効率化を図っています。

稼働中のタクシーからは、刻一刻と位置情報や利用時間、ユーザー情報をはじめとしたデータが送信されますが、Google BigQueryはこれら大量のデータを高速に処理することができ、効率的なサービス運用につなげられるポテンシャルを持っています。

同社は、Google BigQueryの導入によって、ビッグデータの分析手法のひとつであるアドホック分析に要する時間を大幅に削減することができ、サービス向上につながる本質的な分析に専念できる状況を生み出すことに成功。同時に、従来のデータ分析環境に比べて、メンテナンスの労力・コストを大きく削減できたそうです。

Google BigQueryを実際に活用する際のコストは?

what_is_google_bigquery_cost

Google BigQueryには用途に応じていくつかのプランが用意されており、目的やコストに応じて最適なものを選べるようになっています。どのような料金体系が用意されているのか見ていきましょう。

Google BigQueryの料金

Google BigQueryの料金は「使った分だけ支払う」という従量課金制であり、クエリの処理にかかる「分析料金」と、Google BigQueryに読み込むデータを保存する費用である「ストレージ料金」の2つに分けられます。

なお、分析料金には、処理されたバイト数に基づいて課金される「オンデマンド料金」と、月間もしくは年間に好きなだけ利用できる「定額料金」が用意されており、用途に応じて選ぶことが可能です。
オンデマンド料金では1TBあたり6ドルが設定されており、定額料金では1ヵ月あたり2,400ドルで利用することができます(東京の場合)。

ストレージ料金は、過去90日間で変更があった「アクティブ ストレージ」と、90日間変更されていない「長期保存」に分けて料金が発生します。アクティブストレージは1GBあたり月0.023ドル、長期保存は1GBあたり月0.016ドルです(東京の場合)。

Google BigQueryの詳しい料金体系は、下記のページをご覧ください。
参考:料金 | BigQuery: クラウド データ ウェアハウス | Google Cloud

無料トライアルからスタートする方法も

Google Cloudには無料枠が設けられていますが、その一環としてGoogle BigQueryも無料で試用することが可能です。

具体的には、毎月10GBのストレージ使用まで無料となっています。また、クエリ(分析)に関しても、毎月1TBまで無料で使うことが可能です。
「ちょっと試してみたい」という方は、まずは無料トライアルから利用するといいでしょう。

Google BigQueryの導入は、デジタルマーケティングのスペシャリストに相談を

今日のデジタルマーケティングでは、データの多様化に伴い、ビッグデータ分析の重要性が高まっています。Google BigQueryは、そんなビッグデータ分析を効率的に行うためのサービスであり、様々な企業でサービス改革や業務効率化に役立っています。
「戦略的なデジタルマーケティングを実現したい」と考えている方は、Google BigQueryの導入を検討してみるのもいいでしょう。

しかし、戦略的なデジタルマーケティングを実現するには、高度な専門知識や知見が必要です。特に、ビッグデータ分析を取り入れたデジタルマーケティングでは、データサイエンスのスキルなども求められます。

そこで、幅広い知見と確かな実績を有するデジタルマーケティングのスペシャリスト集団に相談するというのも、ひとつの選択肢です。当社は、高度なビッグデータ活用に対する知見や技術、実績も豊富であり、ビッグデータ分析を取り入れたデジタルマーケティングにも長けています。ぜひ当社のデータマーケティングの活用をご検討ください。

著者(writer)
marketingX by goo 編集部

MA運用、データ活用基盤構築(CDP / BI構築)など、データ活用において幅広いお役立ち情報をお届けします。
弊社では、デジタルマーケティング活動において、データ活用基盤の構築から、顧客可視化、各種デジタルマーケティング施策の運用支援まで、一気通貫でご支援しております。
お役立ち資料もご用意しておりますので、ぜひ参考にしてください。

資料のご請求やご相談がございましたら、問い合わせフォームよりお気軽にご連絡ください。

関連記事一覧