コンバージョン率(CVR)とは?計算方法や平均値、改善施策を詳しく解説

データソリューション

コンバージョン率をWebサイト運営の指標に設定している企業や運営者は、決して少なくありません。ときにコンバージョン率の向上や最適化が課題となることもあるでしょう。

本記事ではコンバージョン率向上や最適化を目指すうえで必要な思考や手段、改善策などについて解説しています。コンバージョン率向上に有効とされる、Web接客ツールの活用法や利用時の注意点などについても解説していますので、あわせて参考にしてください。

コンバージョン率とは

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コンバージョン率とは、Webサイトやページを訪問したユーザーのうち、どれくらいの人が成約に至ったかを割合で示した指標です。Webマーケティングやアクセス解析などでは、CVR(Conversion Rate)と表記されます。

コンバージョンの定義は業種やWebサイト運営の目的によってさまざまです。たとえば商品購入や資料請求、お問い合わせなどが、コンバージョンにあたります。

コンバージョン率(CVR)の計算方法

コンバージョン率は、一般的にコンバージョンに至った数をWebサイトに訪問した数で割ることで求められます。

CVR(%)= コンバージョン数 ÷ セッション数(サイトへの訪問数)× 100

たとえば、特定の期間のセッション数が4,000、コンバージョン数が100件だった場合のコンバージョン率は2.5%となります。

ほかにもセッション数を分母とせず、下記のように申し込み者と購入に至った件数をもとにコンバージョン率を求めるケースもあります。

CVR(%)= 購入者数 ÷ メルマガ登録件数(資料請求件数)× 100

たとえば、特定の期間のセッション数が1,500、メルマガ登録件数が130件、そのうち商品購入に至った件数が7件だったとしましょう。
この場合のコンバージョン率は以下のように求められます。

  • メルマガ登録件数に対する購入件数のコンバージョン率:7 ÷ 130 × 100 = 5.3 %
  • セッション数1,500に対するメルマガ登録件数のコンバージョン率:130 ÷ 1,500 × 100= 8.6%
  • セッション数1,500に対する購入件数のコンバージョン率:7 ÷ 1,500 × 100= 0.46%

このようにどの数を母数とし、何を目標とするかによってコンバージョン率の求め方や数値は大きく異なってきます。
求め方は非常にシンプルですが、この違いを理解したうえで指標とすることが大切です。

コンバージョン率(CVR)の平均値は?

一般的なWebサイトのコンバージョン率は2%~5%の範囲であるとされています。ただし、これはあくまで一般的な推計値であり、業界や特定のキャンペーンの成果によってコンバージョン率は異なります。
Webサイトのデザイン、ユーザーエクスペリエンス、コンテンツの質、オファーの魅力など、さまざまな要素に影響を受けます。
また、ターゲットオーディエンスや業界の競争状況もコンバージョン率に影響を与える要素です。

コンバージョン率の向上を目指す理由

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Webサイトの改善や見込み顧客へのアプローチ施策を実施し、策がうまくいけばコンバージョン率にも変化が現れます。コンバージョン率は、成果を数値で可視化したものです。

コンバージョン率の向上はお問い合わせや申し込み、商品の売り上げ数などに直結し、売上額などにも影響してきます。そのため、コンバージョン率の向上を目指し、Webサイト運営のゴールや中間指標に設定するケースが非常に多くみられるのです。

コンバージョン率を低下させている要因は?

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コンバージョン率が著しく低下してしまう場合や、思うように上がらない場合には、なんらかの要因が考えられます。コンバージョン率の向上や改善を目指す際には、どのような要因があるのか事前に把握しておくことが大切です。

ユーザーのニーズとズレがある

ユーザーが欲しい情報や商品と、Webサイトで提供しているものに大きなズレがあると、コンバージョンに至らない場合があります。

たとえばタイトルやキーワードと、記事やコンテンツの内容が合っていない場合、検索エンジンで記事タイトルにひかれてWebサイトに訪問したものの、期待するような内容ではなくコンバージョンに至らないケースなどがこれに当たります。ほかにも広告とコンテンツに乖離がある場合も同様です。

記事タイトルや広告による期待値が高ければ高いほどセッション数は高まりますが、その分コンバージョン数が少なくなるため、コンバージョン率が大きく低下してしまうのです。

導線が悪くコンバージョンページへ誘導できていない

集客ページからランディングページへうまく誘導できておらず、途中で離脱してしまうケースも多くみられます。読み物としてのコンテンツが完成していても、コンバージョンにつながるページやフォームへのアクセスが悪ければ、思うようにユーザーは行動してくれません。

コンバージョンページへの誘導につながるリンクが用意できているか、適切な位置に設置できているのかなど確認してみるとよいでしょう。

CTAなどの訴求が弱く行動に結びつかない

ユーザーに具体的な行動をしてもらうための後押しが弱いために、うまくコンバージョンへつなげられていないケースもあります。リンクやボタンが目立たない、クリックしたいと思える訴求が用意されていない場合なども同様です。

問題解決のためにユーザーが何をすべきかWebページ上でしっかりと訴求してあげることも大切です。コンバージョンページにはCTAなどを設置し、ユーザーが行動したくなるような文言を添えるなどの工夫をしましょう。

コンバージョン率向上のポイント

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コンバージョン率を向上させるためには、具体的にどのような点に意識を向ければよいのでしょうか。改善ポイントを把握するための方法について解説します。

数字やデータをもとに分析

コンバージョン率向上においてとても重要なのが、数字やデータです。申し込み数が少ないというような感覚的なものではなく、しっかりとデータを基に分析することが重要なのです。

分析を行う際はアクセス解析などをもとに、コンバージョン数やコンバージョン率を把握します。施策後に比較できるよう、コンバージョンポイントなども固定しましょう。Googleアナリティクスを活用し、コンバージョンの設定や確認を行うことも可能です。

GoogleのCV測定方法については、以下の記事でご紹介しているので、ぜひこちらも参考にしてみて下さい。

離脱率や離脱個所の把握も重要

コンバージョンに至らなかったという結果だけでなく、どのページや位置でユーザーが離脱しているのかを知ることも重要です。コンバージョンを促すページで離脱しているのと、コンバージョンページまで誘導できずに離脱しているのでは、対策が大きく異なります。必要に応じてヒートマップツールなども活用し、ユーザーの行動フローを把握しておきましょう。

離脱率の改善方法については、以下の記事でご紹介しているので、ぜひこちらも参考にしてみて下さい。

ユーザビリティの確認

データ上の分析と合わせて、ユーザビリティの確認も行います。実際に操作をしてみた際に感じる不便さなどを理解することで改善へとつなげられる場合もあります。とくに注意が必要なのは、入力フォームにおけるユーザビリティです。

入力項目の内容や数は適切か、入力フォームに入力しにくいと感じるところはないかなど、実際に操作をして確かめてみましょう。確認はPC版だけでなく、スマートフォンからアクセスして操作することも重要です。

A/Bテストを行う

A/Bテストはコンバージョン率の最適化において、欠かすことのできない工程です。異なるパターンのCTAやクリエイティブなどを用意し、得られるコンバージョン率の違いを比較するためです。

施策を行う際はA/Bテストを行い、どちらが効果的か測るようにします。季節の需要やトレンドの変化があってもしっかりと比較できるよう、できるだけ条件をそろえてテストを行うようにします。実施後はどのようにコンバージョン率に変化が現れたのかを確認しましょう。

コンバージョン率最適化(CRO)のための具体的な施策

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コンバージョン率を高めるためには、Webページの改善やさまざまな施策が必要となります。こうしたコンバージョン率を向上させるための施策を行うことを、CRO(コンバージョン率最適化)といいます。ここからは、コンバージョン率最適化のための、具体的な施策について解説します。

LPO(ランディングページ最適化)

ここでいう「ランディングページ」とは、コンバージョンを得るためのボタンやフォームなどが設置されたページのことを意味しています。ランディングページはコンバージョン獲得につなげるための、もっとも重要なページです。

ページタイトルやキーワードとのズレや読みにくさの解消、導線の修正など、ユーザー目線に立ってベストな状態に作り上げていきましょう。ECサイトなどであれば商品ページの見やすさやわかりやすさの改善、送料や発送などに関する不安を取り除くための文言追加も有効です。決済方法に関する情報や支払い手段を明記してあげることで、ユーザーの行動を後押ししてあげることもできるでしょう。

LPでのCVR改善方法については、以下の記事でご紹介しているので、ぜひこちらも参考にしてみて下さい。

EFO(エントリーフォーム最適化)

申し込みフォームや購入時の情報入力フォームなども、ストレスのないつくりにしていきます。PCとスマートフォンなど、異なる環境で実際に操作をしながら、入力のしにくさや不便に感じるポイントがないか確認し、改善していきましょう。入力フォームの改善や効果測定がワンストップで行える、「EFOツール」などを活用するのもおすすめです。

CTAの改善

ボタンの操作性や視認性、マイクロコピーの内容の見直しなど、CTA周りの改善も必須です。思わずクリックしてしまうような配色やデザインなど、工夫を凝らすことも大切です。ユーザーを悩ませることがないよう、簡潔かつ行動につながりやすいようなボタンテキストなども検討しましょう。

CTAのクリック効果を上げるコツについては、以下の記事でご紹介しているので、ぜひこちらも参考にしてみて下さい。

Web接客ツールを導入するケースも増えている

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最近では、コンバージョンにつながらなかったユーザーの離脱を防ぐための、Web接客ツールを導入するケースも増えてきています。コンバージョン率の最適化に加えて、Web接客ツールの導入を検討してみるのもおすすめです。

コンバージョン率最適化に有効なWeb接客ツール

Web接客ツールとは、Webサイトに訪問したユーザーに対し、自動で接客を行うためのツールです。Web接客ツールには、コンバージョン率を高める機能がたくさんあります。

ポップアップ型はキャンペーンやクーポンの提示やフォームへのボタンリンクなどを表示させる機能です。「離脱時」や「再訪問時」など任意の表示条件を設定できるため、コンバージョンポイントやユーザーの見込み度合いに合わせた施策として活用できます。

また自動音声チャットでは、Webサイト上にチャットウィンドウを表示し、ユーザーの疑問や不安に答えます。電話やメールと違い気軽に相談できるため、安心感が高まりコンバージョンへとつながるのです。

Web接客ツールには、このようにコンバージョンを後押ししてくれるような機能が充実しています。ベンダーによって提供されるサービスが異なるため、目的や商材との相性がよいサービスを導入することも大切です。

Web接客ツール導入時の注意点

Web接客ツールは、コンバージョン率向上において非常に有効なツールです。しかしとりあえず導入すればCVRが向上するかといえば、必ずしもそうとは限らないため注意が必要です。

ターゲット分析がしっかりと行えていない状態で導入すると、かえって直帰率や離脱率を高めてしまうことにつながり、CVR低下を招いてしまう場合があります。とくにポップアップを表示させるタイミングや訴求内容は、しっかりと見極めて設定するのがポイントです。

Web接客については、以下の記事でご紹介しているので、ぜひこちらも参考にしてみて下さい。

コンバージョン率を最適化させCVR向上を目指そう

コンバージョン率の向上は、申し込み数や販売数、売上の増加に直結する重要な課題です。コンバージョン率向上のためには、データをもとにした問題点の把握と改善が必要です。コンバージョン率最適化につながるさまざまなツールを活用しながら、コンバージョン率の向上を目指しましょう。

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marketingX by goo 編集部

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